山田康雄

山田康雄について

山田康雄（やまだやすお、1932年9月10日 - 1995年3月19日）は、日本の俳優、声優、そして司会者として知られる人物です。彼は、特にアニメ『ルパン三世』の初代声優としての役割が広く知られています。彼は、東京都に生まれ、父は日本銀行に勤務していたが、幼少期に死別しています。第二次世界大戦の影響で集団疎開を経験し、戦争の影を感じながら成長しました。

生い立ちと教育

山田は東京の大森区で育ちました。中学では野球部に所属しながら、映画に熱中し、喜劇役者への憧れを抱いていました。特に、ダニー・ケイのコメディ映画の影響で、舞台に立ちたいという夢を持つようになります。大学受験では東京大学を目指しましたが、失敗。しかし、その後早稲田大学に進学し、舞台活動を始めることになります。

キャリアの始まり

山田は、大学を中退し劇団民藝に入団しますが、自分の演じたい喜劇を演じられず、1年で退団。その後フリーで活動を始めると、徐々にテレビやラジオに出演するようになります。1958年に劇団テアトル・エコーに入団し、急速に名を挙げていきます。

声優としての活躍

1959年、彼はクリント・イーストウッドの吹き替えとして声優デビューを果たします。その後、『ローハイド』などの作品でイーストウッドの声を担当し、声優としての地位を確立しました。その実力と独特の声質から、山田は多くのファンに支持されることとなります。また、山田はアニメ界でも大きな影響を及ぼし、『ルパン三世』の役は彼の代表作となりました。

「ルパン三世」との出会い

山田とルパンの出会いは劇団内の出来事から始まりました。演出家が回覧していた漫画『ルパン三世』を見て、次第にそのキャラクターに引き込まれていきます。舞台での演技が評価され、ルパン役に抜擢されると、山田はその役に自身を重ね、ルパンの自由で奔放な性格と相性が良いことを自覚したようです。

私生活と人柄

彼の私生活は、明るく陽気な性格を持ちつつも、厳格さがありました。役者としてのプライドを持ち続け、同業者には厳しい目を向けていた一方で、ファンには愛情深く接する姿勢が印象的でした。また、趣味は野球とゴルフで、特に高校時代にはフィールドでの活躍がありました。

晩年と影響

1990年代に入ると、体調の問題が表面化し、1995年に脳出血で亡くなるまでの数年間、自身の演技に対して不安視することもありました。最後までルパンを愛し続け、声を引き継ぐ者に感謝の意を示していた彼の姿勢は、声優業界に多大な影響を与えました。彼の死後も、出身地での追悼が行われ、多くのファンに惜しまれています。山田康雄は、ただの声優ではなく、ルパン三世に「命」を吹き込んだ存在として、永遠に記憶に残るでしょう。

もう一度検索