ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ

ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ：七日間のラプソディ、そして絡み合う陰謀

『ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ』は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』TVスペシャルシリーズ第18作として、2006年9月8日に日本テレビ系で放送されました。17.7％という高い視聴率を記録した本作は、一週間後の大仕事を控えたルパン一味と、様々な思惑が交錯するスリリングな展開が魅力です。

物語の始まり：八百長レースと少女の依頼

物語は、ニューヨークの競馬場から始まります。ルパン三世と次元大介は、八百長レースで荒稼ぎをしますが、これは1週間後の大仕事、競馬場の売上金強奪計画のシミュレーションに過ぎませんでした。

その最中、ルパンは謎めいた少女ミシェルを助けます。ミシェルは裕福な令嬢であり、父親である巨大な民間軍事会社「MIX」社長ガズ・キューイックから、人工ダイヤモンドを盗み出すようルパンに依頼します。一方、次元はかつての戦友である傭兵ライアットと再会し、キューイックからの仕事を引き受けます。

交錯する思惑：ダイヤモンド「女神の涙」と爆弾NDW

ルパンはミシェルの依頼と、峰不二子と石川五ェ門が狙う巨大ダイヤモンド「女神の涙」の強奪計画を同時進行させようとします。五ェ門は不二子に雇われながらも、ルパンの仕事に協力します。「女神の涙」は世界最大の原石をカットしたダイヤモンドで、マディソン・スクエア・ガーデンでの展示会で注目を集めていました。

しかし、ミシェルが依頼した人工ダイヤモンドは、ニトログリセリンを圧縮封入した高性能爆弾「N.D.W.（ニトロ・ダイヤモンド・ウェポン）」だったのです。キューイックは、このNDWを使ってアメリカ政府を脅迫する「女神の涙作戦」を計画しており、次元とライアットは、この作戦を守るためキューイックに雇われていたのです。

ルパンVS次元、そして裏切りの連鎖

ルパンと次元は、それぞれの思惑から敵対することとなりますが、ライアットはキューイックを裏切り、副社長と手を組んでいました。ライアットの目的はNDWの情報と本物の「女神の涙」の入手です。

不二子と五ェ門も「女神の涙」強奪を実行しますが、そこに潜む裏切りは、彼らの計画を複雑なものにしていきます。ダノンと名乗る人物が協力者として現れますが、彼はMIX社のスパイであり、NDWと「女神の涙」をすり替えるのが目的でした。

最後の駆け引きと真実

ルパンは巧みな策略で、NDWと「女神の涙」をすり替え、ライアットとダノンを罠にはめます。そして、NDWを起爆させ、彼らの計画を阻止します。

ミシェルはキューイックの手にかかったと信じられていましたが、実際は一命を取り留めていました。ルパンはミシェルに真実を告げ、彼女は不二子と共にタイへ向かいます。

物語の結末は、ハリケーン襲来によりレースが中止となった競馬場で、ルパンと銭形警部の追いかけっこという形で幕を閉じます。

スタッフとキャスト

本作は、1990年代前半のTVスペシャルで活躍した亀垣一が監督を務め、初期TVスペシャルで多くの作品を手掛けた柏原寛司が脚本を担当しています。さらに、栗田貫一、小林清志、井上真樹夫、増山江威子、納谷悟朗といった豪華声優陣がキャラクターボイスを担当し、作品の魅力を高めています。

『ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ』は、高度な策略と緊迫感あふれる展開、そしてルパン一味の個性と魅力が凝縮された、シリーズの中でも特に記憶に残る作品と言えるでしょう。

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