納谷悟朗

納谷悟朗について

納谷悟朗（なや ごろう、1929年11月17日 - 2013年3月5日）は、日本の著名な俳優、声優、ナレーター、そして舞台演出家です。彼は、特に声優としての活躍で知られ、多くの人々に愛され続けています。1944年に東京に移住し、さまざまな職業を経て、演劇に魅了された彼の生涯は多彩なキャリアで溢れています。

生い立ちと教育

北海道函館市で生まれた納谷は、幼少期に東京府に引っ越しました。勉強が苦手だった彼は、中学校には進学せず、小学校高等科に進むものの、戦時中には陸軍技術研究所に就職しました。終戦後、この経験を生かすかたちで、旧制中学校に通うかたわら働いていました。大学生活では立命館大学法学部に在籍し、演劇部での指導を通じて演劇への興味を深めました。最終的には大学を中退し、児童劇団東童に参加しました。

演技キャリアのスタート

納谷の演技キャリアは1951年に始まり、児童劇団での初舞台を経て、多くの名作に出演しました。1952年にはNHKのラジオ番組に初出演し、不良少年の役を演じました。この経験がレギュラーにつながり、その後、民放にも進出しました。1955年に児童劇団を離れ、劇団「稲の会」を設立。ここでの活動を通じて、喜劇に興味を持つようになり、数々の舞台で成功を納めました。

声優活動の開始

1957年からテアトル・エコーに加入し、声優としての活動を本格化させます。彼の低音の渋い声質は多くの作品で重宝され、アニメや吹き替え作品で数々の印象的なキャラクターを演じました。特に『ルパン三世』の銭形警部役は知られ、39年間もこの役を演じ続けました。アフレコにおいては、役柄のごとに声色を変えるなど多彩な表現を追求しました。

健康問題と引退

1985年に胃潰瘍で手術を受け、その後も健康を害しながらも声優業を続けました。2008年、脳梗塞が判明し、俳優業を引退。その後は声優としての活動を継続していきましたが、次第に体力が低下しました。2013年には慢性呼吸不全により83歳で亡くなりました。

影響と功績

納谷悟朗は、日本の声優界において非常に大きな存在感を持ち、特にアニメ視聴者にとっては欠かせない声優の一人でした。彼の声質と演技は、当時のアニメーションや吹替えに新たな風を感じさせ、多くの作品に革新をもたらしました。彼の影響は、後進の声優たちに多くの刺激を与え続けています。また、ナレーションや舞台演出でもその才能を発揮し、幅広いフィールドでの活躍が印象的でした。

プライベートと趣味

私生活では、俳優・声優である弟、納谷六朗と親しい関係にあり、彼の妻も女優・声優の火野カチ子です。趣味は酒とプロ野球観戦であり、特に阪神タイガースのファン。彼は、内気な少年時代からスポーツを通じて自信を深めていったことを語っています。

結論

納谷悟朗は、そのキャリアを通じて日本のエンターテインメント界に多大な影響を与えた人物であり、彼の多彩な作品群は今なお多くの人々の記憶に残り続けています。彼の功績は日本の声優文化の発展に寄与し、心に残るキャラクターを数多く生み出しました。

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