ルパン三世 天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜

ルパン三世 天使の策略 ～夢のカケラは殺しの香り～

『ルパン三世 天使の策略 ～夢のカケラは殺しの香り～』は、モンキー・パンチによる人気アニメ『ルパン三世』の第17作目となるTVスペシャルで、2005年に放送されました。視聴率が19.0%を記録し、多くのファンに支持された本作では、UFOにまつわる出来事を中心にストーリーが展開します。

概要

本作の舞台は、ロズウェル事件で墜落したUFOの一部である「オリジナルメタル」を巡るもので、ルパンファミリーと悪党組織「ブラッディエンジェルス」の戦いが繰り広げられます。特筆すべきは、「ブラッディエンジェルス」が全員女性で構成されていることです。このような敵組織の設定は、シリーズ内でも非常に珍しいもので、女性たちの強さと知恵が物語の中で生かされています。

ストーリー中、ルパンは自らの手で敵組織の首領を射殺するシーンや、仲間たちが連携して戦う珍しい姿が描かれ、これまでにない緊迫感が生まれました。また、銭形警部がついに本名を口にする場面もあり、ファンにとって見逃せない瞬間が多く盛り込まれています。

監督の宮繁之は、本作について「視聴者が楽しめるアクションと、読解が求められるストーリーのバランスを重視した」と語っています。また、本作とは異なるストーリーが『ルパン三世M』で発表され、さらに原作のクレジットに関する変更も行われた点も注目です。

あらすじ

物語は、ルパン三世が「オリジナルメタル」を狙うところから始まります。彼は次元大介や石川五ェ門と共に、ネバダ州のグレーム・レイク空軍基地「エリア51」に侵入。そこで、銭形警部と新米女性捜査官エミリーも同時に現れ、ルパンは見事にメタルを強奪します。

しかし、その後、女性だけのテロ組織「ブラッディエンジェルス」がも同じ物質を狙っていることが判明。物語は、ルパンと仲間たちがメタル奪取を企てる女性たちとの攻防戦に発展していきます。ルパンは、女性幹部たちに次々と狙われつつも、自らの策略や魅力を駆使して危機を乗り越えようとします。

例えば、ルパンはカジノで美女ソフィに近づき、彼女から情報を引き出そうとします。また、五ェ門は伝説の刀鍛冶を探し、斬鉄剣の修理を試みるものの、それに関わる女性たちと交錯していきます。ストーリーは、緊張感を持ちながらも、ユーモアのある展開やキャラクター同士の絡みが魅力です。

終盤では、様々な女性たちとの戦闘が繰り広げられながら、銭形警部もアメリカ軍と連携し、一連の騒動に乗り出します。エミリーの正体が明らかになり、思いもよらぬ結末が待ち受けています。

キャラクター

本作にはエミリー・オブライエンという新米捜査官が登場します。彼女は、物語の中でルパンの対立者でありながらも、実は「ブラッディエンジェルス」の首領の正体を隠しています。このキャラクターは、物語に深みを与える重要な役割を果たしています。

また、ポイズン・ソフィやボンバー・リンダなど、魅力的な女性キャラクターたちが登場し、それぞれの個性や背景が描かれることで、物語をさらに引き立てます。彼女たちの目的と、ルパンとの関わりが、ストーリーに緊迫感をもたらす要因の一つになっています。

音楽とアート

音楽面では、前年のTVシリーズのBGMが新たにアレンジされています。また、オープニング曲も新たに再構築され、現代の視聴者にアピールしています。作画においても従来のデザインを尊重しつつ、新たな試みが見られ、特にアクションシーンでは非常に多くの動画を使用してリアルな動きを実現しています。

『ルパン三世 天使の策略 ～夢のカケラは殺しの香り～』は、アニメファンやルパンのファンにとって見逃せない作品であり、高評価を受けたシリーズの一環として多くの人々を魅了しました。

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