宮繁之

宮 繁之（みや しげゆき）

宮繁之は1975年11月14日生まれの日本の男性アニメ監督、演出家、キャラクターデザイナーです。別名義として更一灯を使用しており、主にマッドハウス、ブレインズ・ベース、MAPPAといった制作会社で活動しています。彼のキャリアは1999年にスタジオディーンに入社したことから始まり、同年には『ルパン三世 天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』で監督デビューを果たしました。

経歴・人物

宮は教師の家庭に育ち、大学では国語の教師を目指していましたが、次第に自身に教員としての適性がないことに気付くようになります。彼は幼少期から絵を描くことを好んでおり、また授業の中でシナリオの学習もしていたことから、アニメーションの世界に興味を持ち始めました。当初は制作進行としてスタジオディーンに入社しますが、車の運転による事故を多発し、同社のプロデューサーから辞職を勧められるという厳しい状況に直面します。

その際、偶然にも監督の古橋一浩から「絵でも描いてみる？」と声をかけられ、彼のアドバイスを受けて少しだけ原画を担当することに。これが転機となり、クリエイターとしての活動が始まりました。彼は古橋に対し「業界に残してくれた恩人」と感謝の意を示しています。

アニメーターとしての初期の頃はタイムシートの理解に苦しみましたが、東京ムービーでの経験を通じて成長しました。京極夏彦の作品『京極夏彦 巷説百物語』ではキャラクターデザインを担当し、その後は様々な役割で制作に関与する機会が増えていきました。2005年には『ルパン三世 天使の策略』で監督を務め、その後も多くの作品で指揮を取るようになります。

作品と役割

彼は監督、絵コンテ、演出、作画監督など、幅広い役割で活躍しています。特に、総監督やスーパーバイザーとして制作に関わる場合は、更一灯の名義を使用することがあります。これは、後輩や若手のクリエイターたちの努力を優先したいという信念から来ており、彼の思慮深さを伺わせます。

また、宮は「他の先輩方が築いた基盤の上にいるという自覚がある」と述べ、自己評価を謙虚に保っています。彼は専門教育を受けたことがないため、アニメ専門学校に通わず、井上雄彦から直接絵を教わる唯一の師として彼の名前を挙げています。

自身の創作活動については、クラスの端にいる人の助けになることを目指しており、「苦しい状況にいる人を励ます作品を作りたい」と語っています。彼の作品にはこのような人間的な温かさが反映されており、多くの視聴者に共感を呼ぶ理由となっています。

主な参加作品

テレビアニメ

• - 2000年: HUNTER×HUNTER（動画）
• - 2005年: ルパン三世 天使の策略（監督・絵コンテ）
• - 2013年: ブラッドラッド（監督・絵コンテ）
• - 2019年: 消滅都市（監督・絵コンテ・演出）

劇場アニメ

• - 2014年: 劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-（絵コンテ）

OVA

• - 1999年: るろうに剣心 追憶編（原画）
• - 2011年: SUPERNATURAL: THE ANIMATION（監督・キャラクター原案）

宮繁之はその独自の視点と価値観を持つアニメ界の宝であり、彼の作品は多くの人々に感動と思考を提供し続けています。今後の活動からも目が離せません。

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