ルパン三世 DEAD OR ALIVE

『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』は、1996年 4月20日に公開された劇場版『ルパン三世』の第5作で、原作者モンキー・パンチが初めて監督を手掛けた作品でもあります。キャッチコピーにある「脱獄不可能この島から、生きて戻れた者はいない。」をはじめ、「生き残るのは、誰だ?」などの表現からも、作品の緊張感が伝わります。本作はまた、ルパンシリーズの過去の懐かしいキャラクターたちが垣間見える数少ない作品の一つでもあります。

概要

本作はモンキー・パンチが監督として参加しており、これにより彼の作風が色濃く反映されています。特に、銭形警部はこれまで以上に鋭いキャラクターとして描かれ、ルパン一味も受け身ではなく、能動的な行動が多く見られるようになりました。また、女性や子供に優しい印象を持つルパン像を原作に戻した点が特徴的です。ルパンの衣装も新たに黒いシャツに黄色のネクタイ、白いズボンという斬新なデザインが採用されました。

本作のタイトルは「DEAD OR ALIVE」であり、直訳すると「死んでいる、それとも生きている」となりますが、これは捕縛に関する一種の荒っぽい刑事行政を反映しているとも解釈できます。特報映像では「ルパン三世のテーマ'78」が使用され、作品の雰囲気を盛り上げました。

音楽はこれまでの大野雄二から根岸貴幸に引き継がれ、異なる音楽スタイルが新たに生み出されています。また、モンキー・パンチ応援団として活動する漫画家たちも作品に登場しており、ファンにとっても嬉しい瞬間が用意されています。

制作秘話

監督にオファーがあった鈴木清順や岡本喜八はスケジュールの都合で辞退し、最終的にモンキー・パンチが任されることになりました。最初は他者の作品を見たいという思いもありながらも、アニメ制作に挑むチャンスを逃したくないと考え、監督のポジションに挑むことを決意しました。

実際の制作においては、アニメーション監督の矢野博之や脚本家の柏原寛司らが原作者の意見を尊重しながら制作を進めましたが、モンキー自身は初めての経験に直面し、さまざまな困難に直面したと語っています。例えば、ルパンの敵討ちのための演出案が却下されたことなども、彼のアニメ制作への苦労を物語っているエピソードとなっています。

あらすじ

ズフ国では、国王と王子パニシュが暗殺された後、首狩り将軍が独裁的な政権を握っていました。彼は財宝を求めて漂流島に目をつけ、その獲得を試みますが、何度も失敗。ルパン一味も島に挑むものの、その驚異的な防御システムに撤退を余儀なくされます。物語はこの漂流島と、王子パニシュの正体に繋がる事件が軸となって展開され、ルパンたちはエメラというキャラクターと出会い、彼女の助けを借りながら新たな冒険を繰り広げます。

登場人物

この作品にはルパン三世の主要キャラクターが登場します。

- ルパン三世（声：栗田貫一）
- 次元大介（声：小林清志）
- 石川五ェ門（声：井上真樹夫）
- 峰不二子（声：増山江威子）
- 銭形警部（声：納谷悟朗）

特にオーリエンダーという新キャラクター（声：高山みなみ）が重要な役割を果たし、物語に新たな展開をもたらします。彼女は将軍の娘ではなく、ズフ国の警察の秘密工作員であり、物語の中心に迫っていきます。

『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』は、目まぐるしい冒険とともに、キャラクターたちの深い絆やドラマを描く作品となっています。ルパンとその仲間たちの活躍、さらには新たな敵との対峙がどのように展開するのか、観客は手に汗握るスリルに包まれることでしょう。

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