ルパン三世 PART5

『ルパン三世 PART5』

『ルパン三世 PART5』は、モンキー・パンチが原作の人気アニメ『ルパン三世』の一作品で、2018年の4月から9月にかけて日本テレビなどで放送されました。本作は原作者モンキー・パンチの存命中に放送された最後のテレビシリーズであり、そのため特別な意味を持つ作品となっています。

概要

本作の放送は、2015年に放送された『TV第4シリーズ』から2年ぶりとなります。『TV第4シリーズ』に関与した主要なスタッフが続投し、アニメーション制作は、同じくトムス・エンタテインメントの子会社であるテレコム・アニメーションフィルムが担当しました。さらに、製作委員会方式が採用されたことも、このシリーズの大きな特徴です。

舞台は主にフランスで描かれていますが、物語の展開により、他国の要素も試みられています。この選択は、前作がイタリアを中心に描かれていたことから、キャラクターたちがフランスから旅立った繋がりを持たせるためでもありました。
作品のテーマは、「ルパンがデジタル社会で生き抜く」という現代的なストーリー展開が特徴です。アニメの声優、津田健次郎は、本作について若い世代による新たなルパン像の構築を試みた作品であり、古典的なルパンの世界観を損なわず、新しさを追求していると述べています。また、作品内では人が死亡する描写や流血のシーンが積極的に描かれ、過去作からの変化を見せています。

作品の構成

過去のシリーズは基本的に1話完結であるのに対し、本作は4本の中編と7本の1話完結型エピソードで構成されています。中編では、エピソードの最後に次回への引きが入るクリフハンガー方式が採用され、視聴者の関心を引き付ける手法が取り入れられています。

キャラクターデザインと製作

ルパンの服装については、過去のシリーズで使用された色が意図的に再採用されており、現代のルパンを意識したデザインとなっています。キャラクターデザインは引き続き横堀久雄が担当し、昨今の現代的な雰囲気に合わせた微細な変更が加えられています。また、シリーズ構成・脚本には大河内一楼が起用され、今までのルパンとは異なる新たなエッセンスを加え、古典的な要素も取り入れたシナリオが数多く展開されます。

各エピソードのあらすじ

本作では、メインエピソードである中編4本に焦点を当てます。

EPISODE I

ルパンたちがフランスに訪れ、闇のサイト「マルコポーロ」から仮想通貨を盗み出すことになります。そこで出会った14歳の天才ハッカー、アミ・エナンが重要な役割を果たしますが、ルパンたちは「ルパン・ゲーム」を通じて追跡される羽目になります。追手から逃げる中で、様々な困難に直面しながらも、最終的には彼女や他の仲間との協力により、目標を達成し、アミは次のステップへと進むことになります。

EPISODE II

ルパンは旧友のガストンから依頼を受け、絵画を盗み出すことを試みます。しかし、その背後には治安総局の陰謀が絡んでおり、様々な事件に巻き込まれていきます。最終的に、その中で新たな仲間との出会いや葛藤を経て、ルパンは真の敵に立ち向かうことへと繋がります。

EPISODE III

アミはアヌシー学院に編入し、同じく孤立した少女ドルマと友達になります。しかし、突如襲来したテロ組織との戦いに巻き込まれ、ルパンたちと共にその危機を乗り越え、成長していく様子が描かれます。

EPISODE IV

新たなSNSサービス「ヒトログ」の導入により、ルパンたちはさらなる危機に晒されます。デジタル社会の正と悪が交錯する中で、仲間の試練や忠誠心の確認が画面を通して描かれ、ヒトログが引き起こす混乱の波が物語のクライマックスを生み出します。最終的には、仲間たちとの絆を深め、物語はクライマックスへと展開していきます。

登場人物

主要キャラクターには、長年ルパンの相棒である次元大介や五ェ門、そして魅力的な不二子など、以前のシリーズから続投するキャラクターが含まれています。新キャラクターとして登場するアミ・エナンやアルベール・ダンドレジーなども物語に重要な役割を果たします。これらのキャラクターの成長と複雑な人間関係も本作の醍醐味の一つです。

音楽

音楽は従来のシリーズ同様に大野雄二が手がけ、180曲以上の新作が収められているほか、過去作の楽曲もアレンジされて使用されています。

このように『ルパン三世 PART5』は、古典的な要素を保ちつつも現代的なアプローチを取り入れた作品で、多くのファンにとって新たな楽しみを提供するシリーズとなっています。

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