ルパン三世外伝

ルパン三世外伝：大阪万博の陰に潜む影

モンキー・パンチ氏による漫画作品『ルパン三世外伝』は、1970年、双葉社刊行の『漫画アクション』誌上に掲載されました。全24ページという短いながらも、ルパン三世シリーズにおける重要な一編と言えるでしょう。キャッチコピーは「花の万博にルパンはなにを企むか!?当編集部特別調査によるレポート!」と、ミステリアスな雰囲気を漂わせています。作画は『ルパン三世 新冒険』に近いタッチで描かれており、初期ルパンシリーズのファンにはたまらない魅力が詰まっていると言えるでしょう。

この作品が世に出たのは、まさに大阪万国博覧会開催の年。物語は、数年ぶりに日本へ帰国したルパン三世が、万博見学を装いながら、ある陰謀に巻き込まれていく様を描いています。しかし、ルパンの日本帰国の真の目的は、彼の宿敵である銭形警部の死の真相を探ることでした。

物語の中心となるのは、銭形警部の死です。「△□警察署」所属の銭形警部は、追跡中のスリに殺害されます。この事件は、単なるスリによる殺人事件ではなく、国際的な陰謀が絡んでいることを示唆しています。ルパンは、この事件の真相解明に乗り出し、スリ団や峰不二子らと関わり合いながら、事件の謎を解き明かしていくことになります。

物語には、特徴的な登場人物が登場します。まずは、主人公のルパン三世。大阪万国博覧会の華やかな雰囲気とは裏腹に、彼は復讐の炎を燃やしています。そして、物語の鍵を握る銭形警部。彼の死は、物語全体を暗い影で覆い、ルパンの行動原理を明確にしています。さらに、国際的なスリの大会を控えているスリ団の存在も物語に緊張感を与えています。

特に興味深いのは、峰不二子の役割です。彼女はスリ団の一味として登場しますが、果たして彼女はルパンと協力するのか、それとも対立するのか。彼女の行動は、物語の展開に大きな影響を与えます。また、署長というキャラクターも登場し、銭形警部を「セニョール」と呼ぶなど、独特の個性を見せています。この呼び方は、銭形警部の人物像を浮き彫りにし、物語に深みを与えています。

『ルパン三世外伝』は、単なる冒険活劇にとどまりません。万博という華やかな舞台の裏側にある影、そしてルパンと銭形警部の因縁、さらにスリ団の陰謀など、多くの要素が複雑に絡み合い、読者にスリリングな展開を提供します。また、2015年秋号の『ルパン三世officialマガジン』で「スーパースター」「女だけの刑ム所」と共に再掲載され、2017年7月28日発売のアクションコミックス『ルパン三世 単行本未収録作品集』にて初の単行本化が実現しました。この作品は、ルパン三世シリーズの中でも特に貴重な作品として、多くのファンに愛され続けています。

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