ルビーの指環

ルビーの指環

『ルビーの指環』は、日本のシンガーソングライター寺尾聰が1981年2月5日に発売したシングルであり、彼の6枚目の作品です。この楽曲は、発売元の東芝EMIのEXPRESSレーベルからリリースされ、瞬く間に人気を集めました。

この曲の一大チャット登場は、ヨコハマタイヤのCMソングに採用されたことから始まりました。さらに、1982年春に開催された第54回選抜高等学校野球大会の入場行進曲としても選ばれ、その名は広まりました。

エピソード

シングルの制作過程には、寺尾が当時所属していた石原プロモーションの社長である石原裕次郎と専務の小林正彦とのやり取りがありました。寺尾は「ルビーの指環」を二人に聴かせたところ、小林は「こんなお経みたいな曲が売れるわけがない」と否定的な反応を示しましたが、石原からは「いいんじゃないの」との共鳴を得ました。このように二つの意見が交錯しながらも、最終的にはレコード化が決定されたのです。

本作がヒットを見せた後には、溜池山王に新たに建設された東芝EMIビルが「寺尾ビル」と呼ばれることになり、寺尾の名を冠するエピソードも生まれました。

記録

『ルビーの指環』の発売当初は、売上は控えめでしたが、リリースから約1か月が経過するにつれて急激に人気が高まり、1981年3月30日付のオリコンシングルチャートで寺尾の楽曲として初の1位を獲得しました。この曲は、2021年現在においても寺尾のシングルの中で最大の売上を誇り、1981年12月時点での公称売上枚数は160万枚を記録しています。

このヒットにより、発売当初はあまり評価されていなかった3rdシングル「SHADOW CITY」、4thシングル「出航 SASURAI」も連鎖的に人気を得ました。「SHADOW CITY」は、発売から約9か月後にオリコンシングルチャートで3位を記録し、この時「ルビーの指環」が1位に輝き、「出航 SASURAI」が14位にランクインしました。

音楽番組『ザ・ベストテン』では、1981年3月19日に9位に初登場し、4位、2位と順位を上げ、4月9日に初の1位を記録しました。その後、6月25日までの12週間にわたり同番組の連続1位フルクトラル記録を樹立しました。これに伴い、同番組からは毎回プレゼントが贈られ、このエピソードは特別放送や特集でも特筆されました。

加えて、日本テレビ系の音楽番組『ザ・トップテン』でも、放送初回に1位を達成し、通算で10週連続、合計12回の1位記録を確立するなど、この曲は多くの音楽ランキングでもその存在感を示しました。

1981年12月31日、第23回日本レコード大賞では、作詞者松本隆が作詞賞、作曲者寺尾聰が作曲賞、編曲者の井上鑑が編曲賞を受賞し、楽曲製作者として3部門を独占しました。また、同日は『第32回NHK紅白歌合戦』にも出演しました。

寺尾はその後、2007年、2023年にも紅白歌合戦に出演し、三度「ルビーの指環」を歌い上げています。これにより、この楽曲は時代を超える不朽の名作として確立されています。

収録曲及び参加ミュージシャン

本作には様々なミュージシャンが参加しており、キーボードには井上鑑が、エレキギターには近藤剛、アコースティックギターには吉川泰治、エレキベースにはマイク・ダンなどが関与しています。

このように、『ルビーの指環』は音楽シーンにおいて重要な地位を占めており、様々なアーティストがカバーするなど、世代を超えた愛される名曲となっています。

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