第32回NHK紅白歌合戦

第32回NHK紅白歌合戦概要

1981年12月31日、NHKホールにて、第32回NHK紅白歌合戦が行われました。この年の放送は、21時から23時45分まで生放送され、両組の司会は引き続き黒柳徹子と山川静夫が務めました。黒柳は、この年に彼女の著書『窓ぎわのトットちゃん』が350万部を超えるベストセラーとなり、黒柳ブームが起こったため、続投が決まったのです。

リーダーシップと記念すべき試み

この年の紅組リーダーには水前寺清子、白組リーダーには北島三郎が選ばれました。また、試験的に世論調査の結果が公開され、さらに曲順の発表前にトリの歌手が事前に公開されるという初の試みが行われました。紅組は水前寺や島倉千代子、都はるみなどがトリ候補に名を連ね、白組も北島や森進一、五木ひろしといった著名な歌手たちが名を馳せました。

オープニングと演出

オープニングはブラスバンドによるファンファーレで始まり、続いて「スタイン・ソング」による歌手の入場行進が行われました。しかし、この年の入場曲が最後に使用され、その後毎年異なる曲が用いられることとなりました。入場する歌手たちは、紅組が赤のブレザーと白のスカート、白組が白のブレザーと黒のズボンと、印象的な衣装で登場しました。

新たな試みと競演

今回から、歌の祭典として応援ゲストを原則起用せず、応援席も冒頭と終盤のみに変更されました。これにより、舞台装置の転換がよりスムーズになり、式典の流れが一新されました。また、デュエットコーナーや合同パフォーマンスも特別なイベントとして組まれ、印象的な場面が数多く展開されました。

競争と結果

大トリを務めた北島三郎の「風雪ながれ旅」では、大量の紙吹雪が降り注ぎ、その演出が観客の心に残る印象的なシーンとなりました。この年の勝者は白組となり、数々の名シーンと共に、多くのファンに親しまれました。

歴史的な意義

第32回のNHK紅白歌合戦は、音楽番組としての新たな方向性を示す重要な回であり、その後の紅白歌合戦に大きな影響を与えました。また、視聴率や人気アンケートでも注目を集め、特に世論調査のデータが公表されたことは新しい時代の幕開けを象徴していました。

この熱気あるイベントは、年々進化し続け、今日まで続くテレビ史上の重要なイベントの一つとして位置づけられています。

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