ルンガ沖航空戦

ルンガ沖航空戦

ルンガ沖航空戦は1943年6月16日、日本海軍がガダルカナル島のルンガ岬近くで連合軍の輸送船団をターゲットにして行われた航空戦です。この戦闘は、ソロモン諸島地域における敵航空機の排除を目指した「六〇三作戦」の一環であり、その前段階として実施された「ソ」作戦から続くものと位置付けられました。この戦闘の際、「航空戦」という名称が初めて正式に使用され、今後の海戦における航空機の役割を強調する重要な意味を持ちました。

背景

日本海軍の第一基地航空部隊は、1943年5月上旬、内地での再建に続きラバウルへ進出し、ガダルカナル島および東部ニューギニア方面での攻撃作戦を計画しました。しかし、天候の影響もあり、5月中の昼間攻撃はわずか4回に留まり、期待した成果は得られませんでした。米軍は2月21日にラッセル諸島を占領し、3月から飛行場の設置を開始。日本側はこれに対抗するため、3月6日からラッセル諸島の飛行場攻撃を開始したものの、連合軍の航空力は日増しに強化されていました。進出する連合軍の航空機による攻撃は激化し、日本軍は劣勢に立たされていました。

六〇三作戦

6月の上旬、南東方面艦隊司令部はガダルカナル島方面の敵艦船を攻撃する六〇三作戦の実施を計画しました。作戦の目的は、敵航空機と艦船の撃滅であり、参加部隊には第五および第六空襲部隊が含まれました。事前の航空撃滅戦と呼ばれる「ソ」作戦により、ラッセル諸島内への進出を試み、敵機の撃墜を目指しました。後続の「セ」作戦では、ガダルカナル島への攻撃を行う予定でした。

経過

第一次「ソ」作戦は6月7日に実施され、戦果として41機の敵機を撃墜したものの、九機の零戦が未帰還となる結果も伴いました。続く第二次「ソ」作戦では、さらに33機を撃墜したと報告されましたが、依然として大きな損失を受けることとなりました。

6月16日、いよいよ「セ」作戦が実施され、各部隊が協力して敵艦船への攻撃を行いました。目標はルンガ泊地で、艦爆隊が大規模な攻撃を行いましたが、その結果、称賛に値する戦果が挙がる一方で、14機の戦闘機が未帰還という高い損失も確認されました。特に艦上爆撃機の損失率は54%に達しました。

結果と影響

ルンガ沖航空戦後、日本側はある程度の成功を収めたと考えましたが、実際には大きな損耗が続きました。特にパイロットの損失は深刻で、以後の作戦遂行に多大な影響を与えることとなりました。連合軍側の攻撃も続き、日本の航空部隊の戦力は日増しに削減されていくことに。これにより、連携が取れていたはずの航空攻撃にも影響が及び、今後の戦局に影響を与え続けることとなりました。

本戦闘は、航空戦が海戦において果たす役割を再認識させるものであり、日本海軍の戦略変更を余儀なくされる契機となりました。

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