ルーターズビル・カレッジ

ルーターズビル・カレッジの歴史

ルーターズビル・カレッジ（Rutersville College）は、アメリカ合衆国テキサス州ファイエット郡のルーターズビルにあった男女共学の大学で、1840年にテキサス共和国から認可を受けた、高等教育機関の先駆けでした。その名は、設立に強く寄与したメソジストの宣教師、マーティン・ルーターに由来しています。彼は学校のチャーターを起草し、資金を集めて設立を推進しました。最初はバストロップ・カレッジと呼ばれる予定でしたが、テキサス共和国議会においてメソジスト教会に関連する施設と見なされたため、最終的にルーターズビル・カレッジとして開校するに至ります。残念ながら、ルーターは開校の2年前に亡くなってしまいました。

開校からの発展

1840年2月1日に開校し、当初は古典学や職業教育を含む9つの部門で教育が行われました。学生数は徐々に増加し、1844年には194人に達しました。この成長に伴い、教員陣も拡充され、教育環境が整備されました。しかし、時が経つにつれて、ルーターズビル・カレッジは不安定な運営と財政の問題に直面することになりました。

特に1846年から1848年にかけて、男子学生たちは米墨戦争に従軍するために学校を離れざるを得ませんでした。その一方で、1845年に設立されたベイラー大学や1850年に設立されたチャペルヒル男女カレッジといった新たな高等教育機関との競争が激化し、入学者数が減少していきました。寄付を受けていた土地を売却して財政を立て直そうとしたものの、低い評価額のため十分な資金が得られず、状況は悪化する一方でした。

メソジスト教会との関係

ルーターズビル・カレッジは、メソジスト教会との結びつきに関して困難な状況に直面しました。宗教的な支援を求めた結果、1849年には理事会の欠員をメソジスト・カンファレンスが埋めるという追加条項がチャーターに盛り込まれました。しかし、1850年に発生した性的スキャンダルにより、メソジスト・カンファレンスは学校との関係を断つ決定を下しました。

財政難と閉校

経済的な厳しさが続き、学生数は減少し続けるなか、授業は早々に停止せざるを得なくなり、1856年にはキャンパスがガルベストンにあるテキサス・モニュメンタル・アンド・ミリタリー・インスティテュートにリースされました。

しかし、1883年にキャンパスはメソジスト教会のサザン・ジャーマン・カンファレンスへ売却され、1894年には完全に放棄されました。破損した建物はその後崩壊し、唯一残ったのは本館に設置されていた鐘だけで、今もサウスウェスタン大学のキャンパスに設置されています。

影響と遺産

ルーターズビル・カレッジのチャーターは、1872年にサウスウェスタン大学設立の際に復活を果たします。ルーターズビル・カレッジの教育理念や先駆的な精神は、その後の教育機関に強く影響を与え、テキサス州の高等教育の歴史の一部として記憶されています。

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