ルートヴィヒ10世 (バイエルン公)

ルートヴィヒ10世（1495年9月18日 - 1545年4月22日）は、16世紀のバイエルン公であり、アルブレヒト4世とクニグンデ・フォン・エスターライヒの次男として生まれました。兄であるヴィルヘルム4世と共にバイエルンを共同統治しました。

生涯

父アルブレヒト4世が1508年に亡くなると、家領の長子相続を取り決めた遺言に基づき、兄のヴィルヘルム4世がバイエルンの単独統治を開始しました。しかし、ルートヴィヒ10世は、自分が生まれた後に長子相続の制度が施行されたため、その取り決めは無効であると主張しました。この主張に対し、ヴィルヘルム4世は最終的に譲歩し、1516年にルートヴィヒ10世との共同統治を認めざるを得なくなりました。

宗教改革の初期において、ルートヴィヒ10世は改革運動に一定の同情を示していました。しかし、後にカトリックへと転向し、ドイツ農民戦争においては鎮圧側に立ちました。また、ボヘミア王位を主張し、ハプスブルク家との対立を深めましたが、1534年にはフェルディナント1世との間でリンツ和約を締結し、関係を修復しました。

ルートヴィヒ10世はイタリア旅行の際、マントヴァのパラッツォ・デル・テ（夏の離宮、ジュリオ・ロマーノ作）に感銘を受けました。その影響を受け、1536年からランツフートに壮麗な宮殿の建設を開始しました。この宮殿は、イタリアのルネサンス様式を取り入れた美しい建築物として知られています。

1545年、ルートヴィヒ10世は後継者を残すことなく死去しました。これにより、再びヴィルヘルム4世による単独統治が実現し、その後は長子相続の原則が守られることとなりました。彼の死後、バイエルン公国は安定した統治体制へと移行していきました。

参考文献

Karl Theodor von Heigel (1884). "Ludwig, Herzog von Ober- und Niederbaiern". Allgemeine Deutsche Biographie (ドイツ語). Vol. 19. Leipzig: Duncker & Humblot. pp. 513–516.
Johannes Laschinger: Ludwig X., Herzog von Ober- und Niederbayern. In: Neue Deutsche Biographie (NDB). Band 15, Duncker & Humblot, Berlin 1987, ISBN 3-428-00196-6, S. 366 f. (電子テキスト版).

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