ループジャンプ

ループジャンプ（Loop jump）

ループジャンプとは、フィギュアスケートにおけるジャンプの一種であり、しばしば「ループ」とも呼ばれています。また、考案者の名前に由来して「リットベルガー」という名でも知られています。このジャンプは、スケート選手の技術と力を示すための重要な要素です。

特徴と技術

ループジャンプは、特有の準備姿勢があり、ジャンプに入る前には腰を下ろしたような態勢を取ります。ジャンプは右足を踏み切りに使用し、トウピックを使わずに行われるのが特徴です。選手は右足の外側エッジを使って滑り、左足を前に出して滑り込む勢いを活かして踏み切ります。跳躍の瞬間に、まるで椅子に腰掛けるような姿勢が求められるため、その独特なスタイルが評価されます。

ループジャンプは、トウループとよく比較されます。トウループは同じく右足の外側エッジを使用しますが、フリーレッグのつま先を氷に接触させるので、一見して区別がつきます。

このジャンプは、比較的難易度が低いため、コンビネーションジャンプの第二の要素として頻繁に用いられます。しかし、着氷後に再度跳び上がる際にトウピックを使わないため、トウループに比べて難易度が高いとされています。

難易度と基礎点

ループジャンプの難易度は中程度とされ、基礎点は10.50に設定されています。国際スケート連盟（ISU）の採点システムにおいて、難易度は以下のように分類されています：

• - 4T < 4S < 4Lo < 4F < 4Lz < 4A
• - 基礎点は次のように設定されています：

- 9.50 < 9.70 < 10.50 < 11.00 < 11.50 < 12.50

G.O.E（Grade of Execution）は技の完成度を評価するために加点または減点が行われ、最大で+50%の加点や-50%の減点があります。選手が技をどれだけ高い基準で成功させたかにより、得られるポイントが大きく変わります。

歴史的背景

ループジャンプは1910年、ドイツのヴェルナー・リットベルガーによって初めて成功したと言われています。このため、欧州ではループではなくリットベルガーと呼ばれることが一般的です。1925年にはオーストリアのカール・シェーファーが2回転のループジャンプに成功し、その後1952年にはアメリカのディック・バトンが3回転に成功しました。

1968年には女子選手として初めて、ガブリエル・ザイフェルトが3回転のループジャンプを成功させました。そして2016年9月、日本の羽生結弦が4回転ループジャンプを成功させたことで、大きな注目を浴びました。

2023年4月現在、ISUが公認する国際大会で4回転ループジャンプを成功させた男子選手の中には羽生結弦や宇野昌磨、鍵山優真などが名を連ねていますが、女子選手ではまだ成功例は出ていません。

ループジャンプは、その難易度、技術、そして歴史的な背景を通じて、フィギュアスケートの中で特に魅力あるジャンプの一つであると言えるでしょう。

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