ルーマニアの憲法

ルーマニアの憲法

現在のルーマニア憲法は、近代ルーマニアの歴史において7番目の恒久的な憲法です。この憲法は、政府の構造、市民の権利と義務、そして法律の制定方法を定める、ルーマニアにおける基本的な統治文書であり、ルーマニア政府の正当性の根拠となっています。1991年11月21日に採択され、1991年12月8日の国民投票で承認され、同日に公布されました。

憲法の変遷

ルーマニアの憲法は、歴史の中で何度か変遷を遂げています。

有機規制 (1831-1832): モルダヴィアとワラキアで採択された、ドナウ公国における最初の憲法類似の法。
1866年憲法: ルーマニア公国の最初の憲法。1878年にルーマニアが王国になった後も維持されました。
1923年憲法: 領土拡大後に承認されましたが、1938年にカロル2世によって廃止されました。
共産主義時代の憲法 (1948, 1952, 1965): ソ連憲法をモデルとし、社会主義体制下で制定されました。

1989年の共産主義体制崩壊後、1965年の憲法の一部が一時的に有効となり、1991年に現在の憲法が採択されました。

1991年憲法

1991年憲法は、国会議員と憲法専門家の委員会によって作成され、1991年11月21日に議会で承認されました。同年12月8日の国民投票で承認され、ルーマニアは「国家、主権、独立、統一、不可分の国家」と定義されました。政府の形態は共和制であり、大統領は5年の任期で最大2期まで務めることができます。議会は二院制であり、下院と上院で構成され、議員は4年ごとに選出されます。

2003年改正

1991年憲法は、2003年に初めて改正されました。この改正では、「欧州連合への統合」と「NATOへの加盟」に関する内容が盛り込まれました。改正された憲法は、少数民族に地方行政や裁判所に対応する際に母語を使用する権利を与え、立法府の機能を改善し、大統領の任期を制限するものでした。この改正は、2003年10月18～19日の国民投票で採択されました。

その後の動き

2010年代初頭には、憲法改正の問題が繰り返し提起されましたが、2018年には同性婚を禁止する憲法改正の国民投票が行われましたが、投票率不足で否決されました。

現行憲法の構成

2003年に改訂された1991年憲法は、8つのタイトルに分かれた156の条項で構成されています。

第一章 - 一般原則
第二章 - 基本的権利、自由、および義務
第三章 - 公的機関
第四章 - 経済と財政
第五章 - 憲法裁判所
第六章 - 欧州大西洋統合
第七章 - 憲法の改正
第八章 - 最終規定および経過規定

現行憲法は、ルーマニアの法的枠組みの根幹をなし、国の発展と国民の権利を保障する上で重要な役割を果たしています。

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