ルーマニア人は、主に
ルーマニア及び
モルドバ共和国において多数を占める民族です。彼らは、南東ヨーロッパに住むラテン系の民族として、しばしば「ヴラフ人」と呼ばれています。さらに、ダコ=
ルーマニア人という名称も使用され、これは古代のダキア人とローマ人の混血性を示唆するものです。
起源
ルーマニア人の起源は多くの点で議論の的となっています。彼らが
ラテン語系の
ルーマニア語を母語としていることから、いくつかの歴史的な仮説が立てられています。一般的には、
ルーマニアの歴史に詳しい学者によれば、古代のダキア人がローマ人に征服され、双方が混血しながら新しい民族とその言語が形成されたとされています。この説は「ダキア=ローマ人の連続説」や「ダキア=ローマ人の原住民説」として知られています。
また、
ルーマニア人が
バルカン半島からの
移住者であるとする仮説もあります。この見解は、ドイツの学者レスラーにちなんで「レスラー説」と名付けられています。しかし、トランシルヴァニア地方をめぐる領有権の問題は長く続いていて、18世紀には有名な歴史書『ローマ帝国衰亡史』によって語られており、その後も論争が続いています。
文化的特徴
ルーマニア語はロマンス語に分類されるものの、語彙にはスラヴ語や
トルコ語からの借用語が豊富に見られるのが特徴です。この文化的融合は、
ルーマニアの歴史的背景を反映しています。また、ビザンチン文化の影響も受けており、これが彼らの信仰や生活様式にも根付いています。
ルーマニア人の大部分は
正教会を信仰し、これは彼らの文化や社会生活の中で重要な役割を果たしています。祭りや儀式などの伝統行事には、宗教的な要素が色濃く反映されており、地域ごとに独自の表現が見られることも特徴です。
まとめ
このように、
ルーマニア人はその起源、言語、および文化において非常に多様であり、歴史的な背景や地域の影響を受けながら成長してきました。
ルーマニアと
モルドバに暮らす彼らは、独自のアイデンティティを持ち、今なおその文化を大切に守り続けています。