レイズ (スナック菓子)

レイズ（Lay's）は、世界中で最も広く認識されているポテトチップスブランドの一つです。この名称は、かつてブランドを立ち上げた会社の名前が由来。後にフリートス社と合併し、フリトレー（Frito-Lay）となり、1965年からはペプシコグループの一員として事業を展開しています。レイズはフリトレー社の主要ブランドであり、一部地域を除き世界中で「Lay's」として展開されています。日本市場では、カルビーの子会社であるジャパンフリトレーがその製品を輸入・販売しています。

レイズの歴史は、1932年にハーマン・レイというセールスマンがテネシー州でスナック食品のビジネスを始めたことに始まります。彼は1938年にジョージア州のポテトチップス会社を買収し、「H.W.レイ・リンゴ＆カンパニー」と改名。レイ自身がアメリカ南部を自動車で巡り、トランクから直接商品を販売するという、情熱的な手法で販路を拡大していきました。

1944年には、社名を「ザ・レイズ・レイ・リンゴ社」と短縮。この頃、革新的なマーケティング手法として、スナック食品メーカー初のテレビコマーシャルを放映。著名なコメディアン、バート・ラーを起用し、ブランドの認知度向上を図りました。

大きな転機が1961年に訪れます。フリトー社との合併により、「フリトー・レイ社」が誕生。この合併は、両社の強みを組み合わせ、年間売上高1億2700万ドル規模の巨大なスナック菓子企業を生み出しました。合併後まもなく、レイズは「bet you can't eat just one（きっと一つだけじゃ物足りない）」という、今なお有名なスローガンを発表。製品販売は国際的にも拡大し、有名人による推奨を用いたマーケティング戦略が展開されました。

1965年、フリトレー社はペプシコーラ社と合併し、巨大コングロマリットであるペプシコ株式会社が設立されました。ペプシコという強力な後ろ盾を得て、レイズはさらなる成長の道を歩みます。製品開発も積極的に行われ、1991年にはポテトチップスの配合が改良され、よりパリッとした食感と長い鮮度保持を実現。1994年には波型カットの「Wavy Lay's」が全米展開されるなど、製品ラインナップが拡充されました。また、1990年代後半には、健康志向の高まりに応じた低カロリーの「ベイクド」タイプや、脂肪分ゼロの製品も登場しました。

2000年代以降も、レイズは市場の動向に合わせて進化を続けます。プリングルズなど競合製品との競争に対応するため、厚切りでしっかりした食感が特徴の「ケトル調理」スタイルの製品群が導入されました。さらに、消費者の多様なニーズに応えるため、世界各国の食文化に触発されたユニークなフレーバーが数多く開発・発売されています。これらの継続的な革新とマーケティング努力により、レイズは世界のポテトチップス市場において、常に主要なプレイヤーとしての地位を維持し、進化し続けています。

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