レイヤード・サマー

レイヤード・サマー

『レイヤード・サマー』は、上月司氏が手掛けるライトノベル作品です。イラストはさくらねこ氏が担当しています。電撃文庫から刊行され、時間SFの要素と少年少女たちの出会いを描いた物語です。

あらすじ

高校2年生の夏休み、黒瀬涼平は、柑橘系の香りを纏う不思議な少女、流堂庵璃と出会います。庵璃は、未来から「子宮喰い（エッグイーター）」と呼ばれる殺人鬼を追ってやってきたと告げます。涼平の生きる時間軸に現れた殺人鬼を追うため、遥か未来から時を超えてきたというのです。

庵璃が現代に現れた理由はそれだけではないようですが、多くを語ろうとしません。涼平は、そんな彼女を放っておけず、事件の解決に奔走することになります。これは、涼平と庵璃が体験する、世界のどこかで重なり合った夏の物語なのです。

登場人物

黒瀬 涼平（くろせ りょうへい）

本作の主人公。高校2年生。両親が旅行中のため、夏休みは一人暮らしを満喫しています。しかし、そのせいか学校の登校日を忘れるほど自堕落な生活を送っています。根は正義感が強く、困っている人を放っておけない性格です。中学時代までは剣道を習っていましたが、ある出来事をきっかけに辞め、現在は素振り程度に留めています。幼馴染と祭りへ行く途中で庵璃と出会い、彼女の力になることを決意します。

流堂 庵璃（るどう あんり）

銀色にも灰白色にも見える髪と、ルビーのような赤い瞳を持つ美しい少女。未来から殺人鬼「子宮喰い」を追って、現代の涼平の前に現れます。虚弱体質で、よく倒れそうになります。責任感が強く、涼平に警告するために会いに行きました。「子宮喰い」を捕らえるために調整された専用武器を使用します。大人びていますが、涼平と同い年で、年相応の可愛らしい一面も持ち合わせています。柑橘系の香りがするのが特徴です。

岬 ハル

未来からやってきた殺人鬼「子宮喰い」。その殺人衝動には、ある理由が存在します。庵璃を追って現代にやってきました。童顔ですが、涼平や庵璃と同い年です。やや常識外れな言動が見られます。

茜 野々子

涼平の幼馴染でクラスメイト。

世界観・用語解説

時空移動

本作における時間移動は、一般的なタイムスリップとは異なり、時間軸がミルフィーユのように重なり合うという独特の理論に基づいています。過去を変えても未来に影響はなく、タイムパラドックスは起こりません。時間の流れをパラレルワールドと解釈し、座標計算によって時間移動を行うため、「時標演算」という言葉が用いられます。

書籍情報

電撃文庫刊（アスキー・メディアワークス発行）
レイヤード・サマー ISBN 978-4-04-870231-7 2011年1月6日発売

外部リンク

電撃文庫ドットコム内・作品紹介ページ

『レイヤード・サマー』は、時空を超えたサスペンスと、少年少女たちの出会いと成長を描いた作品です。ユニークな世界観と魅力的なキャラクターたちが織りなす物語を、ぜひお楽しみください。

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