レインジャー7号

レインジャー7号の詳細

レインジャー7号（英:Ranger 7）は、NASAが実施したレインジャー計画の一環として開発された月探査機である。この計画の目的は、月面に衝突する前に、その周辺の高解像度写真を撮影し、科学者たちに詳細なデータを提供することだった。1974年7月28日に打ち上げられ、レインジャー7号は月への軌道に乗った後、衝突直前の数分間に実際に高解像度の画像を地球に送信することに成功した。これにより、レインジャー7号は月面探査における画期的な存在となった。

設計の概要

レインジャー7号は、前のモデルと同じブロック3系統に基づいて設計されており、他のレインジャー機と同様の形状を持つ。機体は、推進ユニットの上に六角形の台座が置かれ、その上に円筒部分が乗る仕様である。下部には展開式の太陽電池パネルと高利得パラボラアンテナが装備され、さらに円筒部の先端には準無指向性の低利得アンテナが取り付けられている。姿勢制御は、ヒドラジンを推進剤とするエンジンが担当しており、電源は銀亜鉛電池や太陽光発電パネルに依存していた。

打ち上げのプロセス

レインジャー7号の打ち上げには、アトラス・アジェナロケットが使用された。アトラス250DとアジェナB6009によるこの打ち上げは順調に進み、約30分後にアジェナロケットが2度目の点火を行い、月遷移軌道に投入された。アジェナロケットから切り離された後、太陽電池パネルが展開され、姿勢制御システムも作動を開始。通信機は無指向性アンテナから高利得アンテナに切り替えられた。このプロセスの中で、唯一の異常は打ち上げ後にDSIF追跡所との相互通信が途絶えたことだった。

月面到達と画像の取得

7月31日、レインジャー7号はついに月に到達した。Fチャンネルの動作は衝突18分前に開始され、最初の画像が13:08:45 UTに撮影された。この画像には、月から2110キロメートルの地点から撮られたアルフォンススクレーターの姿が含まれていた。衝突までの17分間に、レインジャー7号は4308枚もの高解像度写真を撮影した。その中には、月面からわずか0.5キロメートルの距離で撮影された、38センチメートル大の物体を識別できる画像もある。

衝突の詳細

レインジャー7号は、約68.6時間の飛行後、月の赤道から-5.57度の角度で衝突するために順行する双曲線軌道を選択した。衝突は、当初の報告で南緯10.63、東経339.34度とされていた地点において、秒速2.62キロメートルの速度で発生した。最終的にレインジャー7号は、現在「既知の海」と呼ばれる月面の南緯10.35、東経339.42の地点に衝突し、レインジャー計画における月面画像の取得というミッション目標に初めて成功を収めた。

このプロジェクトは、今後の月面探査活動において重要な礎を築いたとされ、科学者たちにとっても貴重なデータが収集されることとなった。

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