レイ・ブラウン (野球)

レイモンド・ブラウン（Raymond "Ray" Brown, 1908年2月23日 - 1965年2月8日）は、ニグロリーグ、ラテンアメリカの野球リーグで活躍したアメリカ合衆国出身の野球選手です。主に投手として活躍し、右投げでスイッチヒッターでした。オハイオ州アッシュランドグローブで生まれ、1930年代後半から1940年代にかけてホームステッド・グレイズの黄金時代を支えた立役者として知られています。

生い立ちとキャリア

プロ野球選手になる以前は、オハイオ州の高校からウィルバーフォース大学へ進学し、地元のデイトンの球団で野球をプレーしていました。大学在学中の1932年に、カム・ポージーが所有するホームステッド・グレイズと契約。1935年に大学を卒業するまでは、オフシーズンに大学に通い続けていました。大学卒業後、ブラウンは球団オーナーであるポージーの娘と結婚し（結婚式は野球場のホームプレート前で行われたと伝えられています）、その後はグレイズ一筋で選手生活を送りました。

ブラウンは、速球に加え、コントロールに優れたカーブとシンカーを武器にしていました。ベテランになってからは、ナックルボールも投げていたそうです。

1935年にニグロリーグで12勝3敗の成績を挙げました。この年は打撃でも才能を発揮し、登板のない試合では外野手として出場することもあったそうです。1936年には、デンバーの新聞社が選ぶニグロ・ナショナル・リーグのオールスター選手に選出されました。グレイズの強力な打線の援護もあり、この年から翌1937年にかけて、28連勝という驚異的な記録を達成しました。

1939年にはグレイズとの契約がうまくいかず、メキシコリーグでプレーしました。1940年にグレイズに復帰すると18勝3敗、防御率2.53という好成績を記録。1941年には、前年からの連勝記録を27連勝にまで伸ばし、グレイズをリーグ5連覇に導きました。この年のニューヨーク・キューバンズとのリーグ優勝決定戦では完封勝利を挙げ、打つ方でも本塁打と二塁打を放つ活躍を見せました。さらに、1941年のオフシーズンにはプエルトリコのリーグに参加し、12勝4敗、防御率1.82という成績で最多勝利投手にも輝きました。

1942年までニグロリーグで毎年二桁勝利を挙げていましたが、1943年以降は徐々に成績が低下していきました。しかし、プエルトリコのリーグでは相変わらず好投を続け、プエルトリコリーグへの参加は合計6シーズンにも及びました。

1946年にグレイズを離れ、1949年まで4年間メキシコリーグでプレーしました。メキシコリーグでは4年間で51勝32敗の成績を残し、防御率は毎年3.50前後を記録しています。また、1948年シーズンオフには、ベネズエラリーグでカラカスの監督を務めました。1950年からはカナダのプロヴィンシャル・リーグで3年間プレーし、現役を引退しました。引退後は再婚し、数年間カナダで暮らしていたそうです。1965年にオハイオ州デイトンで亡くなりました。

2006年には、ニグロリーグ特別委員会によってアメリカ野球殿堂入り選手に選出され、その功績が称えられました。

記録・表彰

通算投手成績：109勝30敗

出典・外部リンク

Baseballhalloffame.org（英語） – アメリカ野球殿堂による紹介
* Negro League Baseball Museum

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