レオポルド・トリエステ

レオポルド・トリエステ：多才なイタリアの名優

レオポルド・トリエステ（Leopoldo Trieste, 1917年5月3日 - 2003年1月25日）は、イタリアのカラブリア州レッジョ・ディ・カラブリア出身の俳優、映画監督です。第二次世界大戦後のイタリアにおいて、映画、舞台、テレビドラマと幅広い分野で活躍し、その才能を発揮しました。

生涯とキャリア

戦後間もない1945年、トリエステは劇場で戦争と暴力をテーマにした三部作に取り組みました。その中でも、ホロコーストを扱った世界初の演劇作品とされる『NN』（1947年）は、彼の演劇に対する深い洞察と社会への問題意識を示すものでした。この作品は、後に彼が協力したクラウディオ・ゴーラの映画『フェブレ・ディ・ヴィヴェール』（1953年）に影響を与えました。

1950年代には、映画監督としても活動を始め、フェデリコ・フェリーニの製作で『Città di notte』（1958年）や『Il peccato degli anni verdi』（1960年）などを監督しました。これらの作品は、彼の映画監督としての才能を示すとともに、当時のイタリア社会の姿を映し出すものでした。

その後、トリエステは俳優としてのキャリアに専念し、イタリア式コメディ映画で数々の個性的な役を演じました。『イタリア式離婚狂想曲』（1961年）や『誘惑されて棄てられて』（1964年）などの作品で、そのユーモラスな演技が高く評価されました。しかし、彼の才能はコメディだけにとどまらず、『ゴッドファーザー PART II』（1974年）、『薔薇の名前』（1986年）、『ニュー・シネマ・パラダイス』（1988年）、『明日を夢見て』（1995年）といった国際的な大作にも出演し、その存在感を示しました。

1960年代から1970年代にかけては、テレビドラマにも積極的に出演しました。『メグレ警視の調査』や『いいなづけ』などの作品で、その演技力を披露しました。また、子供向けドラマ『Le avventure di Ciuffettino』にも出演し、幅広い世代の視聴者に親しまれました。

晩年まで精力的に活動を続け、2000年には『Il commissario Montalbano』のエピソードに出演しました。2003年1月25日、ローマで心臓発作により85歳で死去。その死は、イタリアの演劇界、映画界にとって大きな損失でした。

主な出演作品

トリエステは数多くの映画に出演しました。以下はその代表的な作品です。

『白い酋長』（1952年）
『青春群像』（1953年）
『イタリア式離婚狂想曲』（1961年）
『誘惑されて棄てられて』（1964年）
『ゴッドファーザー PART II』（1974年）
『薔薇の名前』（1986年）
『ニュー・シネマ・パラダイス』（1988年）
『明日を夢見て』（1995年）

舞台作品

トリエステは、舞台俳優としても重要な作品に参加しました。

『ラ・フロンティエラ』（1945年）
『クロニクル』（1946年）
『NN』（1947年）

これらの作品は、戦後のイタリア演劇界において重要な意味を持つものでした。

受賞

トリエステは、その長年の功績を称えられ、数々の賞を受賞しました。

シルバーリボン賞 助演男優賞（1965年、1985年、1996年）
* ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 助演男優賞（1996年）

これらの賞は、彼の才能と貢献を高く評価するものでした。

レガシー

レオポルド・トリエステは、イタリアの演劇界、映画界に多大な貢献をした俳優、映画監督として、その名を知られています。彼の作品は、今もなお多くの人々に愛され、その才能は語り継がれています。2017年には、彼の故郷であるレッジョ・ディ・カラブリアに彼の名を冠した広場が設けられ、その功績を讃えられました。

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