レオ・シャープ

レオ・シャープ（1924年5月7日 - 2016年12月12日）は、アメリカ合衆国の園芸家であり、晩年は麻薬の運び屋として知られるようになりました。彼の波瀾万丈な人生は、多くの人々に衝撃を与えました。

生い立ちと軍歴

レオ・シャープは1924年、インディアナ州ミシガン・シティで生まれ、ミシガン州デトロイトで育ちました。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊し、第88歩兵師団の一員として第二次世界大戦のイタリア戦線に従軍。その勇敢な働きにより、ブロンズ・スター・メダルを授与されました。

園芸家としての成功と挫折

戦後、シャープはミシガン・シティ近郊に46エーカーの農地を購入し、「ブルックウッド・ガーデンズ」を設立。デイリリーの栽培に情熱を注ぎ、1990年代中盤までには、その道の達人として広く知られるようになりました。しかし、インターネットの普及により、顧客がオンラインで種子を購入するようになると、彼の事業は時代の変化に対応できず、徐々に衰退していきました。

麻薬の運び屋「エル・タタ」

2009年、シャープはシナロア・カルテルの運び屋として活動を始めます。スペイン語で「おじいさん」を意味する「エル・タタ」という愛称で呼ばれていました。2011年まで麻薬の運び屋を務め、合計1,400ポンド以上の麻薬を運んだことを認めています。彼が麻薬の運び屋になった理由として、「デイリリーと同じようにコカインは人々を幸せにする植物だからだ」と語ったとされています。これは、彼の倫理観や価値観が大きく変化したことを示唆するものでしょう。

死とその後

2016年12月12日、レオ・シャープは92歳で亡くなりました。彼の遺体は、国立太平洋記念墓地に埋葬されています。

大衆文化への影響

シャープの人生は、2018年にクリント・イーストウッド監督・主演で映画化されました。映画『運び屋』は、『ニューヨーク・タイムズ』に掲載されたサム・ドルニックの記事「The Sinaloa Cartel's 90-Year-Old Drug Mule」を基に制作されています。映画では、シャープの晩年の姿が描かれ、彼の行動の動機や葛藤が深く掘り下げられています。

レオ・シャープの人生は、成功と挫折、そして予想外の転落が織り交ざった、複雑で興味深い物語です。彼の選択は倫理的に問題があることは明らかですが、その背景には、時代の変化に対応できなかった苦悩や、晩年における生きがいを求める気持ちがあったのかもしれません。

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