レギオスウィンガー

レギオスウィンガー (RegioSwinger)

レギオスウィンガーは、アドトランツが開発した気動車で、主に電化されていないローカル線の快速・急行列車として使用されています。その特徴は、車体傾斜式の設計により、曲線区間での走行性能が向上していることです。

概要

この車両は1998年にドイツのブランデンブルク州にあるヘニングスドルフで製造が始まり、2001年にはボンバルディア・トランスポーテーションがアドトランツを買収したことにより、製造が続けられました。ドイツ鉄道の612形やクロアチア鉄道の7123形といった形式が存在し、輸出されるなどその人気は高いものです。

612形気動車は、2両1編成という単位で構成され、各車両には560kWのカミンズエンジン (QSK-19型) が搭載されています。動力伝達方式には液体式が採用され、車両の連結には密着連結器（Scharfenberg-Kupplung）が用いられています。ブレーキシステムには油圧式、空気式、電磁式が備わっており、安全面にも配慮されています。さらには、車体が最大8度傾斜することができる車体傾斜装置も搭載されています。

運用

ドイツ鉄道

ドイツ鉄道では、612形気動車が主力として運用されており、最初の編成は1998年に納入されました。612形は、先行モデルの611形の失敗の教訓を受けて改良され、特に電気式車体傾斜システム（Neicontrol-E）が導入されています。しかし、2004年には台車にひびが発見され、安全上の理由から車体傾斜システムの使用が一時停止され、速度が制限される事態になりました。611形気動車も車軸や車輪の交換を余儀なくされ、612形にはモリブデン製の車軸が導入されました。これにより、612形は非電化区間での速達列車運行に適した性能を発揮することができるようになったのです。

2001年に導入されたICE-TDが重大なトラブルにより運用停止となったドレスデン・ニュルンベルク間では、612形気動車がICE塗装でインターシティに置き換えられ、その後も地域間快特インターレギオナルエクスプレス（Franken-Sachsen-Express）として運行が続けられています。

クロアチア鉄道

クロアチア鉄道では、7123形としてレギオスウィンガーがザグレブとスプリト間のInterCity Nagibni (ICN)にて導入されています。これにより、クロアチア国内の短距離のアクセス向上に寄与しています。

事故

しかし、すべてが順調というわけではありません。2009年7月24日、クロアチア鉄道で運用されているICNがカシュテル・ノヴィ近郊で脱線事故を起こし、6名が死亡し、55名が負傷しました。この事故は、車両の安全性に対する再評価を促す事態となりました。

まとめ

レギオスウィンガーは、その先進的な設計によりローカル線において重要な役割を果たしている一方で、安全性への再検討を常に求められる存在でもあります。今後の運用においては、その技術力を活かしつつ、利用者の安全を最優先に考えた運行が期待されています。

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