レギオナルエクスプレス

ドイツの地方交通を支えるレギオナルエクスプレス

ドイツの鉄道において、レギオナルエクスプレス（RegionalExpress、略称RE）は重要な役割を担う列車種別です。日本の快速列車に相当する位置づけで、長距離路線から都市近郊路線まで幅広く運行されています。

特別料金不要の準速達サービス

REの最大の特徴は、特急列車のような特別料金が不要である点です。普通列車（レギオナルバーン）やSバーンよりも停車駅が少なく、速達性が高い一方、特急列車（インターシティ）と比較すると停車駅が多いという、絶妙なバランスが保たれています。そのため、長距離移動にはもちろん、都市近郊の移動にも便利な選択肢となっています。中には200kmを超える長距離路線も存在し、ドイツ各地を網羅する交通網を支えています。

多様な運行形態と車両

REは、ドイツ鉄道の子会社であるDBレギオが中心となって運行していますが、理論上は連邦政府が他の運行会社に運行権を与えることも可能です。実際、メトロノム社のように、独自のブランド名でREに準じたサービスを提供する会社もあります。これは、認知度向上を目的とした戦略の一環です。

車両についても多様性に富んでおり、気動車から電車、機関車牽引の客車まで、様々な種類が運行されています。425形電車、426形電車、146形機関車牽引の2階建て客車などが代表的な例です。多くの路線では1時間毎の運行を心掛け、利用者の利便性を高めています。

高速化への取り組み

近年では、高速新線の開業に伴い、REの高速化も進んでいます。例えば、ミュンヘンとニュルンベルク間では、ニュルンベルク-インゴルシュタット-ミュンヘン高速線（一部区間）の開業により、「ミュンヘン・ニュルンベルク・エクスプレス」と呼ばれる高速REが運行を開始しました。この列車は、最高速度200km/hで、インターシティ用の客車を改造して使用しています。171kmの距離を約1時間40分で結び、特急列車に匹敵する速達性を誇ります。

地域特性に合わせた運行

一方で、すべてのREが高速化されているわけではありません。ライン・ルール都市圏やカールスルーエ都市圏などでは、都市中心部ではSバーンと役割分担し、主要駅を通過。郊外では各駅停車として運行されるREもあります。これは、地域特性に合わせた柔軟な運行形態を採用することで、効率的な公共交通を実現するための工夫です。

まとめ

REは、ドイツの鉄道ネットワークにおいて、多様なニーズに応える重要な列車種別です。その柔軟性と利便性から、これからもドイツの地方交通を支える存在として、重要な役割を果たしていくことでしょう。様々な運行形態や車両、そして高速化への取り組みなど、REの多様な側面を知ることで、ドイツの鉄道事情への理解が深まるはずです。

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