レシェク (ラチブシュ公)

レシェク (ラチブシュ公)

レシェク（Leszek raciborski, 1292年頃 - 1336年）は、14世紀前半のシロンスク地方において、ラチブシュ公（在位：1306年 - 1336年）およびコジュレ公（在位：1334年 - 1336年）として活躍した人物です。彼はラチブシュ公プシェミスワフの一人息子として生まれ、母はマゾフシェ公爵家出身のチェルスク公コンラト2世の娘アンナでした。

生涯

1306年に父プシェミスワフが亡くなると、レシェクはラチブシュ公国を相続しました。しかし、当時彼はまだ未成年であったため、1308年までは伯父であるチェシン公ミェシュコ1世が摂政として公国を統治しました。この摂政期間中、ドミニコ会は公国の宮廷からヴォジスワフに修道院を建設する許可を得ました。修道院が完成すると、教会会議はレシェクがドミニコ会のために便宜を図ったことを祝福しました。

1327年2月19日、レシェクは他のシロンスクの諸公とともに、オパヴァにおいてボヘミア王ヨハン・フォン・ルクセンブルクに臣従の礼を取りました。これは、当時のシロンスク地方がボヘミア王国の影響下にあったことを示す出来事です。

1334年、レシェクは従兄であるビトム公ヴワディスワフから銀4000本と引き換えにコジュレ公国を買い取り、自領を拡大しました。しかし、この取引には条件があり、もしレシェクが息子をもうけずに亡くなった場合、コジュレはビトム公国に返還されることになっていました。

レシェクは1336年に亡くなり、ラチブシュのドミニコ会修道院に埋葬されました。1332年にグウォグフ＝ジャガン公ヘンリク4世の娘アグニェシュカ（1321年頃 - 1362年）と結婚していましたが、残念ながら子供を授かることはありませんでした。

レシェクの死後、封建上の主君であったボヘミア王ヨハンの独断により（グルヌィ・シロンスクを統治する近縁の男系親族たちの激しい抗議にもかかわらず）、ラチブシュ公国はレシェクの妹アンナの夫であるオパヴァ公ミクラーシュ2世に与えられました。一方、コジュレはレシェクの末の妹エウフェミアに金銭的補償を支払った後で、ビトム公ヴワディスワフが取り戻しました。レシェクの死後、未亡人となったアグニェシュカはブジェク公ルドヴィク1世と再婚しています。

レシェクの生涯は、当時のシロンスク地方における政治的駆け引きや領土の変遷を象徴するものであり、彼の死後もその影響は色濃く残りました。

参考文献

SILESIA
Complete Genealogy of the House of Piast
Chronological Dates in Stoyan
Genealogy of the Dukes of Opole

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