グウォグフ

グウォグフ（Głogów）

グウォグフは、ポーランド南西部、シレジア地方に位置する都市です。ジェロナ・グラの南東、レグニツァの北に位置し、グウォグフ郡に属しています。2021年のデータによると、人口は約6万5千人で、ポーランド国内でも比較的大きな都市の一つです。都市の名前はポーランド語でサンザシを意味する「głóg」に由来します。

歴史

グウォグフはポーランド最古の都市の一つであり、その歴史は11世紀に遡ります。この地には、ジャドシャン族と呼ばれるスラヴ人の部族が砦を築き、それが都市の起源となりました。1010年には、メルゼブルク司教ティートマールの年代記に初めてその名が登場し、1109年にはグウォグフの戦いで、ボレスワフ3世がハインリヒ5世の包囲を打ち破ったという記録が残っています。

12世紀にはグウォグフ公国の首都となり、14世紀にはマクデブルク法による都市特権を獲得しました。その後、ボヘミア王国の支配下に入り、16世紀にはハプスブルク家の支配下となりました。三十年戦争やナポレオン戦争など、数々の戦乱に巻き込まれながらも、その度に復興を遂げてきました。

18世紀にはプロイセン王国の領土となり、ドイツ語名のグローガウ（Glogau）と呼ばれるようになります。第二次世界大戦中には、ナチス・ドイツによって要塞化され、激しい戦火に見舞われました。戦後、グウォグフはポーランドに返還され、破壊された街の再建が始まりました。

建築物

グウォグフには、その長い歴史を物語る数多くの建築物が残っています。

市庁舎: 歴史的な建築様式を持つ美しい市庁舎です。
グウォグフ公の城: 現在は考古学博物館として利用されています。
ボジェ・チャウォ（聖体）教会: 後期バロック様式の教会です。
聖ローレンス教会: 16世紀に建てられた教会です。
聖ニコラス教会: 初期ゴシック様式の教会の遺跡です。
共同教会: ゴシック様式の教会です。
アンドレアス・グリューフィウス劇場: 劇場の遺跡です。
中世の市壁の残骸: 中世の都市を囲んでいた市壁の一部が残っています。

グウォグフのユダヤ人

グウォグフには、11世紀からユダヤ人が居住していました。彼らは、街の経済や文化に貢献していましたが、時として迫害の対象となることもありました。19世紀には、シナゴーグが建設されましたが、第二次世界大戦中に破壊されました。

現代のグウォグフ

現代のグウォグフは、銅の鋳造所を中心とした工業都市として発展しています。また、歴史的な街並みを活かした観光にも力を入れています。近年では、姉妹都市交流も盛んに行われており、国際的な交流拠点としての役割も担っています。

姉妹都市

アンバーバレー（イギリス）
アイゼンヒュッテンシュタット（ドイツ）
カームヤネツィ＝ポジーリシクィイ（ウクライナ）
ラーホルム（スウェーデン）
ランゲンハーゲン（ドイツ）
リーザ（ドイツ）

グウォグフは、過去と現在が融合した魅力的な都市であり、訪れる人々に豊かな体験を提供してくれるでしょう。

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