レスター・スクウェア

ロンドンのエンターテインメントの中心地：レスター・スクウェア

レスター・スクウェアは、イギリス・ロンドン中心部のウエストミンスター区ウエストエンドに位置する、活気に満ちた広場です。劇場、映画館、レストラン、ナイトクラブといった娯楽施設が密集し、メディア企業のスタジオも数多く存在する、まさにロンドンのエンターテインメントの中心地と言えるでしょう。ロンドン地下鉄レスター・スクウェア駅が最寄り駅となり、アクセスも抜群です。

ロンドンの心臓部、そして周辺環境

レスター・スクウェアは、ロンドンの主要な観光スポットに囲まれた、まさに中心と言える場所に位置しています。南にはトラファルガー広場、西にはピカデリー・サーカス、東にはコヴェント・ガーデン、北にはケンブリッジ・サーカスがあり、いずれも広場から約350メートルの距離です。また、西側にはチャリング・クロス、そして広場とケンブリッジ・サーカスの間には、ヨーロッパ最大級の中華街が広がっています。

歩行者専用のこの広場の賑わいぶりは一年を通して衰えることがありませんが、クリスマスシーズンの移動遊園地、大晦日、そして春節の中華街は、特に活気に満ち溢れています。

歴史的建造物と著名人の像

広場の真ん中には、小さな公園があります。そこには、この場所にゆかりのあるイギリスの著名人の彫像が数多く設置されています。公園の中央にはシェイクスピア、四隅にはアイザック・ニュートン（科学者）、ジョシュア・レノルズ（画家）、ジョン・ハンター（外科医）、ウィリアム・ホガース（画家）の像が並び、1981年にはチャールズ・チャップリンの像も加わりました。さらに、大英帝国の植民地までの距離を示すモニュメントも存在します。これらの彫像は、レスター・スクウェアの歴史と文化を象徴する存在と言えるでしょう。

映画館と劇場

レスター・スクウェア周辺には、イギリス最大規模の座席数を誇る映画館が複数あります。中でもオデオン・シネマズは有名で、ハリー・ポッターシリーズを始めとする多くの映画がここで初公開されました。また、周辺には多くの劇場があり、様々なミュージカルが上演されています。公園の前にはチケット販売店もあり、劇場鑑賞に便利な立地です。

歴史：王侯貴族から娯楽の中心地へ

レスター・スクウェアという名称は、17世紀の駐フランス英国大使、レスター伯爵ロバート・シドニーに由来しています。17世紀前半まではセント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会の敷地でしたが、1631年、伯爵は許可を得て「レスター・ハウス」を建てました。しかし、公共の土地を私有地にしたことで問題となり、国王チャールズ1世の裁定により、出入り自由の土地に戻されました。その後、レスター・ハウスは歴代の所有者によって、高貴な場所として扱われてきました。

18世紀後半、産業革命と共に、レスター・スクウェアは高貴な場所から娯楽の中心地へと変化していきました。1792年にはレスター・ハウスも取り壊され、その後、1848年の裁判「Tulk v. Moxhay」で、レスター・スクウェアの土地に関する権利問題が争われました。この裁判は、土地の売買における過去の条件の有効性を問うもので、レスター・スクウェアはその舞台となりました。最終的に、過去の条件が維持されるべきという判決が下されました。1874年、アルバート・グラントがレスター・スクウェアの土地を買い取り、整備した上で首都公共事業委員会に寄付。それ以降、レスター・スクウェアは公式に公共の土地となり、娯楽産業は20世紀を通じて集積し続け、現在に至っています。

レスター・スクウェアは、歴史と現代が融合した、ロンドンを代表する観光スポットです。その華やかで活気のある雰囲気は、訪れる人々を魅了し続けています。

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