ジョシュア・レノルズ

ジョシュア・レノルズ（Sir Joshua Reynolds）

概要

ジョシュア・レノルズは、1723年にイングランドのデヴォン州プリンプトンに生まれたイギリスの画家であり、ロココ期に重要な役割を果たしました。名門画家としての地位を築き、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの初代会長を務めました。彼の生涯と業績を掘り下げていきましょう。

生い立ちと教育

レノルズの父は教師であり、家庭で教育を受けた彼は、1740年から1743年にかけて肖像画家トマス・ハドソンのもとで修行を開始しました。この時期に彼の絵画スタイルが形成されていきます。

彼は1730年代後半に文学界の著名人サミュエル・ジョンソンとの交流を深め、1746年に「ザ・クラブ」を共同設立しました。この集まりには、エドマンド・バークやオリヴァー・ゴールドスミスなどの著名な人々も参加し、知識や思想を交わす場となりました。

イタリアでの学び

1749年、オーガスタス・ケッペルとの出会いを契機に、レノルズは同年に戦列艦センチュリオンに乗船し、イタリアに渡ります。彼はラファエッロやミケランジェロといった巨匠の作品に触れ、古典絵画の研究に励みましたが、途中で体調を崩し、聴覚を一部失うという苦難を味わいます。

ロイヤル・アカデミーと教育者としての役割

1768年にロイヤル・アカデミーが設立されると、レノルズは初代会長として任命され、その重要な役割を果たしました。彼は実作を通じて絵画技法の普及に努め、古典的な美術スタイル、特にグランド・マナーを重視しました。特に歴史画を重視し、モデルを宗教的または歴史的な背景のなかで理想化して描く手法が特徴です。

彼は1784年にアラン・ラムゼイの死を受けて宮廷画家に就任し、その後も多くの名作を生み出しました。しかし、1789年には左目の視力を失い、活動の制約を受けることとなります。

作品と名言

レノルズは、歴史画や肖像画において多くの著名な作品を残しました。代表的な作品には『ネリー・オブライエン』や『キャロライン・ハワード嬢』『マスター・ヘア』があり、愛らしい子どもの肖像画には特に彼の才能が色濃く現れています。

近年、レノルズは保守的で旧弊な画家として批判を受けることもありますが、イギリスにおける職業画家の地位を確立した功績は大きいと言えます。彼の名言として、「君が偉大な才能を持っているならば、勤勉がそれにみがきをかけるだろう。君がふつうの能力しか持っていないなら、勤勉がその不足を補うだろう」というものがあります。

レノルズの評価

レノルズはそのアカデミックな制作姿勢から現代において否定的に評価されることもありますが、彼が築いた美術の伝統や、後の画家たちへの影響は無視できません。彼の肖像画は特に愛情あふれ、観る者に深い印象を強く残します。これからの時代においても、レノルズの作品は色あせることなく、語り継がれていくでしょう。

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