レソトの世界遺産

レソトの世界遺産について

レソトは2003年11月25日に世界遺産条約に署名し、2013年の第37回世界遺産委員会において初めて世界遺産リストに登録される物件を持つことになりました。このタイミングで、レソトが認知した遺産は凡そ一つだけで、複合遺産とされていますが、文化遺産や自然遺産は現在のところ存在しません。

複合遺産「マロティ＝ドラケンスバーグ公園」

レソトが世界遺産として認めているのは「マロティ＝ドラケンスバーグ公園」で、これは南アフリカ共和国との共通の遺産です。この公園は、南アフリカ側の「ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園」と、レソト側の「セアラバセベ国立公園」で構成されており、壮大なドラケンスバーグ山脈の風景と豊かな生物多様性が特徴です。

この地域の重要性は自然美だけではなく、文化的な側面にも関連しています。特に、サン人（ブッシュマン）が数千年にわたり描いた岩絵群は、地域文化の歴史を物語っています。彼らの残した絵は、先住民の生活や信仰、狩猟文化を示している貴重な文化財として評価されています。これらの要素が融合することで、「マロティ＝ドラケンスバーグ公園」がユネスコの世界遺産として認識されるに至りました。

暫定リスト

レソトはさらに、数箇所を世界遺産の暫定リストに掲載しています。その中でも特に注目すべきは「タバ・ボシウ国定記念物」です。

タバ・ボシウは、レソトの首都マセルの近くに位置する丘で、「夜の山」という意味を持ちます。この場所は、19世紀のバソトランドの王、モショエショエ1世が築いた要塞として知られています。この要塞は、独立を守るための重要な拠点であり、地域の歴史におづらく深い意味を持つ場所です。タバ・ボシウは2008年に暫定リストに登録されました。

おわりに

レソトは現在のところ、登録された世界遺産は一つであるものの、その自然環境や文化的遺産の保全に対する取り組みは続いています。未来において、さらなる文化遺産や自然遺産が追加されることが期待されているものの、現時点でのレソトの世界遺産に対する姿勢は、一つの大切な物件を通じて国家の歴史や文化を今後も後世に伝えていくことでしょう。

もう一度検索