レタウニツァ・ブラトウ・ゴリシェク

レタウニツァ・ブラトウ・ゴリシェク

スロベニアの美しい北西部に位置するレタウニツァ・ブラトウ・ゴリシェク（Letalnica bratov Gorišek）は、スキージャンプとスキーフライング競技場として名高い場所です。このジャンプ台は、かつて世界最大のジャンプ台とされており、長年にわたりスキーフライングの聖地としての地位を確立してきました。

ジャンプ台の由来と歴史

レタウニツァ・ブラトウ・ゴリシェクの歴史は1930年に遡ります。当初のジャンプ台はポンツァ山の斜面に設けられ、1934年にはスタンコ・ブロウデクがブロウトコヴァ・ヴェリカンカと呼ばれる大規模なジャンプ台を建設しました。この地点では、1936年3月5日にヨーゼフ・ブラドルが史上初の100m超のジャンプを成功させ、その記録は当時のスキージャンプ界に旋風を巻き起こしました。

1969年にはブラドとヤネスのゴリシェク兄弟によって設計された新しいジャンプ台が完成し、185mのK点が設けられました。その後、1985年にはマッチ・ニッカネンが191mという記録を飛び出すなど、次第に飛距離が伸びていきました。1994年には改修が行われ、飛行曲線を安全なものに改善するための工事が実施されました。

現代の競技と記録

2011年には、ノルウェーのヴィケルスンジャンプ競技場が改修されるまで、このプラニツァのジャンプ台が世界最長のジャンプの舞台として君臨していました。2014/2015シーズンのスキージャンプ・ワールドカップの最終戦が行われ、公式にK点200m、ヒルサイズ225mとなって改修後の初めての競技が行われました。このジャンプ台は、2015年にFISから正式認証を受け、現在の飛距離記録へと進化を続けています。

最近ではヒルサイズが240mに拡張され、2019年には日本の小林陵侑が252mの跳躍を成功させ、新たなバッケンレコードを更新。2025年のワールドカップではドメン・プレヴツが254.5mを記録し、再び世界記録がプラニツァにもたらされました。

ジャンプ台の構造

レタウニツァ・ブラトウ・ゴリシェクの特筆すべき点は、設計の精密さです。インラン（助走路）は133.8mの長さを持ち、傾斜は35.1°に設計されています。これにより、選手たちは助走段階で十分なスピードを得られ、ジャンプに向けて最高のパフォーマンスを発揮できます。カンテの高さは2.93m、長さは8.0mで、傾斜は11.25°となっています。

競技場では、K点200m、ヒルサイズ240mといった設定のもと、選手たちは高評価を得られるように設計されています。また、飛行比率や障害物の位置、 landing zone（着地部）の長さ130mと多くの要因が考慮されています。

イベントと文化

毎年、3月にはスキージャンプ・ワールドカップを開催する場として賑わい、過去にはスキーフライング世界選手権も多数行われてきました。また、1979年に設立されたスキーフライング世界選手権では、公式テーマソング「プラニツァ・プラニツァ」が名物として流れることが特徴です。この伝説的な曲は、スキージャンプファンにとって忘れられない想い出を呼び起こします。

プラニツァのレタウニツァ・ブラトウ・ゴリシェクは、長い歴史と数々の記録、魅惑的な景観により、スキーフライングの中心地として今もその威厳を保ち続けています。

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