レチクル座

レチクル座（Reticulum）

レチクル座は、現代における88の星座のうちの一つで、18世紀半ばに創設された比較的新しい星座です。その名前は、天体望遠鏡の視野に描かれた「レティクル」から由来しており、この言葉は「網目」や「格子」を意味します。星座の全域は日本から観測することができませんが、南半球の天文ファンにとっては重要な位置を占めています。

星座の特性

レチクル座は、全天で7番目に小さな[星座]]であり、見える恒星も少なく、特に明るい恒星は存在しません。主な天体には、いくつかの恒星や、太陽系外惑星が含まれています。2022年4月時点で、国際天文学連合]によって正式に名前が付けられた恒星の一つに、HD 23079があり、主星はTupi、[[太陽系外惑星はGuaraniと名付けられました。

レチクル座内のいくつかの恒星には、以下のようなものがあります:

• - α星: 見かけの明るさ3.36等級で、レチクル座の中で最も明るい星です。
• - β星: 明るさが3.833等級の分光連星で、2番目に明るい星となっています。
• - ε星: 明るさ4.44等級の恒星で、太陽系外惑星がここで発見されました。
• - ζ星: 見かけの明るさが5.54等級のζ1と5.228等級のζ2から成る連星系で、この星系はヒル夫妻誘拐事件と関わる説話があることで有名です。

銀河と星雲

レチクル座には、いくつかの銀河や星団も存在しています。特に以下が noted:

• - NGC 1313: 棒渦巻銀河で、他の星座と接する境界に位置します。
• - NGC 1559: 螺旋銀河で、α星の近くにあります。
• - NGC 1543とNGC 1574: 両者とも楕円銀河で、α星付近に位置しています。

星座の歴史

レチクル座はフランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって1756年に星座として提案されました。彼は、天体望遠鏡において恒星の位置を正確に観測するための照準線を、星座のモチーフとして描き、その図を当時の科学アカデミーに発表しました。最初は「le Reticule Romboide」という名称で発表されましたが、その後、名が簡略化されて「Reticulus」となり、最終的には1879年に現在の「Reticulum」に落ち着きました。

1922年5月には、IAUの設立総会において、鹿毛座が正式な星座として認知されました。新しい星座であるため関連する神話や伝説は存在しませんが、その名の由来から天体観測の重要性が強調されています。

日本における扱い

日本では「レチクル」という名称が初めて登場したのは、1910年に発行された日本天文学会の会誌においてでした。以降の天文資料でも「レチクル」という呼称は広まり、1944年には日本語の公式名称が「小網」に変更されましたが、その後1952年には再び「レチクル」に戻され、現在でもこの名称が使われ続けています。

レチクル座は、比較的小さな星座ながらも歴史的な意義や天体観測における重要性を持つため、天文ファンにとって興味深い存在です。

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