レックス・ティラーソン

レックス・ウェイン・ティラーソン

レックス・ウェイン・ティラーソン（Rex Wayne Tillerson）は、1952年3月23日にテキサス州ウィチタフォールズで誕生したアメリカの政治家であり実業家です。高校卒業後、テキサス大学オースティン校で土木工学の学士号を取得し、1975年にエクソンに入社しました。彼はエクソンの最高経営責任者（CEO）を2006年から2016年まで務め、その後、ドナルド・トランプ政権下で第69代アメリカ合衆国国務長官に就任しました。

エクソンモービルでのキャリア

ティラーソンはエクソン入社以来、長いキャリアを通してさまざまな役割を果たし、特にロシアとの取引で知られています。2012年にロシアの国営石油会社ロスネフチとの共同開発で合意し、プーチン大統領からの評価も受けました。エクソン時代には、サハリン1プロジェクトでのタフな交渉が注目されましたが、その後、ウクライナ危機においてロシアへの経済制裁に反対の立場を取るなど、政治的な意見が注目されました。

政治活動と国務長官への指名

ティラーソンは2016年のアメリカ大統領選挙でトランプ候補を支持し、トランプ当選後に国務長官への指名を受けました。上院の公聴会では、ロシアによるクリミア併合に対する経済制裁維持の必要性を強調し、イランと北朝鮮を敵視する姿勢を示しました。また、南シナ海の問題に関しても強い立場を取ることを表明しました。彼は2017年2月1日に国務長官としての任務を正式に開始し、すぐに中国やロシア、北朝鮮との外交に重点を置きました。

国務長官在任中の外交活動

ティラーソンは就任後、アジア歴訪を行い、日本、韓国、中国を訪れました。安倍首相との対話で北朝鮮政策の見直しを訴え、圧力路線の重要性を強調しました。彼はまた、北朝鮮の核開発問題を扱う上でのアプローチとして、日韓との連携を深めるための共同声明を作成したり、北朝鮮への圧力を維持することを提言しました。

さらに、2018年には北朝鮮との対話の可能性を探る発言が注目を集め、トランプ大統領との意見の相違が報じられるなど、彼の外交方針には波紋が広がりました。ただし、ティラーソンは北朝鮮との接触を重視しつつも、核開発の中止が前提条件であるとの立場を明確にしました。

国務長官の辞任

しかし、2018年3月13日にトランプ大統領からの解任が発表され、後任にはマイク・ポンペオが指名されました。彼は退任会見で、北朝鮮核問題や米中関係の進展について一定の成果があったことを振り返りましたが、ロシアに対する警戒感も表明しました。ティラーソンの外交キャリアは、国際政治に対する影響力を示すものであり、彼の在任期間の多くの決定が今後のアメリカの外交政策に影響を与え続けるでしょう。

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