レッスルマニアXII

レッスルマニアXII：伝説のアイアンマンマッチと確執の始まり

1996年3月31日、アメリカ合衆国で開催されたレッスルマニアXIIは、プロレス団体WWE（当時WWF）の年間最大の祭典であり、ペイパービュー（PPV）として世界中に配信されました。この大会は、ショーン・マイケルズとブレット・ハートによるWWF王座戦、史上初の60分アイアンマンマッチがメインイベントとして組まれたことで知られています。

このアイアンマンマッチは、60分間でフォールまたはギブアップを奪った回数を競うものでしたが、両者譲らず、サドンデス方式による延長戦に突入。最終的に、61分52秒というレッスルマニア史上最長の試合時間の中で、ショーン・マイケルズがWWF王座を初戴冠しました。この試合は、WWEスーパースターたちが選ぶレッスルマニア名勝負トップ10で1位に輝き、プロレスリング・イラストレーテッド誌でも96年の年間最高試合に選出されるなど、高い評価を受けています。

ショーン・マイケルズの入場パフォーマンスも話題を呼びました。師匠であるホセ・ロザリオがリングに上がると、会場の天井からロープを使ってマイケルズが降下する、劇的な演出が繰り広げられました。

しかし、この試合は、単なる名勝負としてだけでなく、ショーン・マイケルズとブレット・ハートの確執の始まりとも捉えられています。試合結果やその過程への不満、そして試合後のマイケルズの発言が、後に「モントリオール事件」と呼ばれる出来事へと繋がったとする見方もあります。この事件は、プロレス界に大きな衝撃を与え、長く語り継がれることとなる出来事でした。

メインイベント以外にも、多くの注目カードが組まれました。WWFタッグ王座を巡るフリー・フォー・オール・マッチでは、ザ・ボディードナーズが優勝。また、ストーンコールド・スティーブ・オースチン、アンダーテイカー、オーエン・ハートなど、当時のトップレスラーたちが多数出場し、白熱した試合を展開しました。ハリウッド・バックロット・ブロウルという、特殊なルールで行われたロディ・パイパーとゴールドダストの試合も、観客を魅了した一戦でした。

レッスルマニアXIIは、歴史に残る名勝負と、後のプロレス界に大きな影響を与える出来事を生んだ大会となりました。その試合内容、そして選手たちのドラマは、プロレスファンにとって永遠の語り草と言えるでしょう。大会を彩った数々の名勝負、そしてショーン・マイケルズとブレット・ハートの確執の始まりを、レッスルマニアXIIは記憶に刻み込みました。様々な試合結果や、その後の出来事がどのように絡み合い、プロレスの歴史に影響を与えたのかを考える上で、この大会は非常に重要な意味を持っています。改めて、レッスルマニアXIIの持つ歴史的意義を理解することは、プロレスをより深く楽しむ上で欠かせません。

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