レッスルマニアXXV

レッスルマニアXXV：伝説の25周年記念大会

2009年4月5日、アメリカのプロレス団体WWEは、年間最大の祭典であるレッスルマニアの第25回大会、レッスルマニアXXVを開催しました。25周年という節目を迎えたこの大会は、単に「WrestleMania XXV」と呼ばれるだけでなく、「The 25th Anniversary of WrestleMania」として盛大に宣伝され、世界中のプロレスファンから大きな注目を集めました。

会場となったのは、テキサス州ヒューストンにあるリライアント・スタジアム。2001年のレッスルマニアXVII以来、8年ぶりにヒューストンがレッスルマニアの舞台となりました。かつてレッスルマニアXVIIで使用されたリライアント・アストロドームに隣接する最新式のスタジアムは、72,744人の観客で埋め尽くされ、会場の最多動員記録を更新しました。オープニングでは、人気歌手ニコール・シャージンガーがアメリカ合衆国の国歌を独唱し、華やかに大会の幕を開けました。

レッスルマニアXXVは、豪華なゲストの来場も大きな話題となりました。リングサイドには、90年代を代表するヘビー級ボクサーのイベンダー・ホリフィールドや、総合格闘家のフランク・シャムロック、NASCARドライバーのカール・エドワーズといった著名人が来場し、会場の熱気をさらに高めました。中でも注目を集めたのは、映画『レスラー』で高い評価を得た俳優ミッキー・ロークの登場です。

ミッキー・ロークの参戦は、当時ヒールとして活躍していたクリス・ジェリコとの抗争から始まりました。ジェリコが映画『レスラー』を皮肉ったことがきっかけとなり、抗争はエスカレート。当初はボクシングマッチが噂されましたが、最終的にジェリコと、リック・フレアーをセコンドにつけたレジェンドレスラー3名（ロディ・パイパー、ジミー・スヌーカ、リッキー・スティムボート）とのハンディキャップマッチが決定しました。ジェリコが勝利した後、リングサイドにいたロークがジェリコを挑発し、リングに上がると、左フック一発でジェリコをノックアウト。会場からは大歓声が沸き起こりました。

大会では、数々の記憶に残る試合が繰り広げられました。中でも、ジ・アンダーテイカーとショーン・マイケルズによる一戦は、多くのファンや専門誌から年間最高試合と評され、プロレスリング・イラストレーテッドやレスリングオブザーバー誌でも2009年の年間最高試合に選出されました。この試合の激闘は、プロレス史に刻まれる名勝負となりました。また、25人のディーバが参加したバトルロイヤルや、CMパンクが勝利したマネー・イン・ザ・バンクラダーマッチなども、大会を盛り上げる見どころとなりました。

レッスルマニアXXVは、地元経済にも大きな貢献を果たしました。ヒューストンの地元自治体への経済効果は4980万ドル、地方税収入は570万ドルに上り、これは600人のフルタイム雇用を生み出す規模に相当しました。

大会の結果は以下の通りです。

ダークマッチ
ランバージャック形式タッグ王座統一戦：○コロンズ vs ●ジョン・モリソン&ザ・ミズ

主要試合
マネー・イン・ザ・バンク・ラダー・マッチ：○CMパンク
25ディーヴァズ・バトルロイヤル：優勝　サンティーナ・マレラ
ハンディキャップ・エリミネーション・マッチ：○クリス・ジェリコ vs ●ジミー・スヌーカ、ロディ・パイパー、リッキー・スティムボート
エクストリーム・ルールズ・マッチ：○マット・ハーディー vs ●ジェフ・ハーディー
WWEインターコンチネンタル王座戦：○レイ・ミステリオ vs ●ジョン・ブラッドショー・レイフィールド
ジ・アンダーテイカー vs ショーン・マイケルズ：○ジ・アンダーテイカー
トリプルスレット形式世界ヘビー級王座戦：○ジョン・シナ vs ●エッジ、ビッグ・ショー
* WWE王座戦：○トリプルH vs ●ランディ・オートン

レッスルマニアXXVは、プロレス史に名を刻む、記憶に残る大会となりました。その熱気と興奮は、今もなお多くのファンに語り継がれています。

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