レッドチップ

レッドチップとは

レッドチップ（英: red chip、中: 红筹股）は、香港証券取引所で取引される特定の株式のことを指します。これらの株式は、中国本土ではなく、香港などの地域に登記された企業のものです。ただし、その企業の売上や資産が55%以上、中国本土から得られることが求められています。さらに、以下の二つの条件のいずれかを満たす必要があります。

1. 企業の実質的な所有者が中国政府であること（つまり国有企業であること）。
2. 中国政府関係者がその企業の議決権の30%以上を保有していること。

このように、レッドチップは、特に中国政府と深い関わりのある企業の株式に該当します。

取引の特徴

レッドチップは、香港証券取引所に上場しているため、その上場企業は香港の上場基準をクリアし、同取引所の規則を遵守する必要があります。また、これらの企業は香港の法律および会計基準に従う必要があります。一般的に取引には香港ドルが用いられますが、一部銘柄では人民元での取引も可能です。海外の個人投資家もこの市場に参加することができ、国際的に安定した投資先としての魅力を持っています。

香港証券取引所における株式には、レッドチップのほかにH株（本土で登記している企業の株式）や、レッドチップの条件を民間企業に適用したPチップという銘柄があります。香港市場には、上記のような多様な株式の種類が存在し、それぞれ異なる特性を持っています。

レッドチップの歴史

レッドチップの歴史は1980年代にさかのぼります。この時期、中国本土の資本による香港企業の買収が活発化し、その結果としてレッドチップ株の数や取引額が増加しました。1990年代には、情報通信やエレクトロニクス関連の企業が相次いで上場し、さらに2000年代に入るとインフラ関連企業が登場しました。

特に2000年代には、レッドチップ株銘柄の代表的な指数であるレッドチップ指数が順調に増加し、調査によれば7,000ポイント近くに達しました。しかし、2007年に発生したサブプライム住宅ローン危機から始まった世界金融危機により、株価は急落しました。その後、指数は4,000ポイント前後での変動を繰り返し続けています。

株価指数と関連性

レッドチップ株は、中国政府や地方政府の影響を強く受けているため、一般的に安全性が高いと考えられています。このことから、香港証券取引所で取引される株式の中でも、特に注目されています。レッドチップという名称は、米国の証券取引所で取引される優良銘柄のことを指すブルーチップにちなんで付けられました。中国共産党のシンボルカラーである赤が由来となっています。

投資家にとって、レッドチップは中国経済へのアクセス手段であり、成長が期待される一方でリスクにも注意が必要です。安定した収益と、中国政府のサポートを受ける企業への投資として、多くの投資家に選ばれ続けています。

おわりに

レッドチップは、中国本土の影響を受けつつ、香港の制度の下で取引される独特の株式です。これらの特性を理解することで、より良い投資判断ができるでしょう。

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