レッド・サン

映画『レッド・サン』

『レッド・サン』（原題: Red Sun）は、1971年に公開された西部劇であり、フランス、イタリア、スペイン、アメリカの共同制作によって作られました。この映画は、日本映画界の巨星・三船敏郎、ハリウッドの名優・チャールズ・ブロンソン、そしてフランス映画を代表するスター・アラン・ドロンによる、国際的な豪華キャストが魅力となっています。

映画の背景

このプロジェクトは1965年に三船プロダクションがパラマウント映画に提案したことが始まりです。三船敏郎が主演する侍を主役にした西部劇という珍しい企画に、製作者のテッド・リッチモンドが共鳴しました。当時、007シリーズを筆頭にスパイ映画が流行していたため、西部劇が注目を浴びることは少なく、特に侍というテーマは関心を集めませんでした。それでもテッドは企画を諦めず、最終的にはフランスのロベール・ドルフマンとの合意に至り、映画として実現する運びとなりました。

監督には『007』シリーズのテレンス・ヤングが起用され、音楽は『アラビアのロレンス』や『ドクトル・ジバゴ』のモーリス・ジャールが手がけました。また、映画のタイトルは文化的な対比を表現しています。欧米では太陽を黄色で表現することが一般的ですが、日本ではしばしば赤で描かれるため、タイトルは日本文化へのオマージュが込められています。

ストーリー概要

映画『レッド・サン』は、強盗団のリンク（チャールズ・ブロンソン）とその相棒ゴーシュ（アラン・ドロン）が金貨の輸送を襲う場面から始まります。この列車には、日米修好の使命を遂行する坂口（中村哲）を含む日本の大使一行が乗っていました。ゴーシュは無惨にも日本の帝からアメリカ大統領に贈られる予定の美しい黄金の太刀を奪います。

リンクはゴーシュに裏切られ、命を狙われますが、さまざまな事情から生き延びることになります。日本大使の黒田（三船敏郎）は、奪われた宝刀を取り戻すために行動を起こし、リンクと手を組むことにします。彼らは当初、互いに反発し合いますが、旅を続けるうちに次第に友情のような感情が芽生えていくことになります。彼らの道は様々な危険に満ちていますが、目的に向かって共に戦う姿が描かれています。

主要キャスト

• - リンク（チャールズ・ブロンソン）: 冷酷な強盗団のリーダーで、義理を大切にするが、復讐心に燃える。
• - ゴーシュ（アラン・ドロン）: リンクの相棒であり裏切り者。早撃ちの名手。
• - 黒田重兵衛（三船敏郎）: 忍耐強い侍で、仲間との信頼を深めながら戦う。
• - クリスティーナ（ウルスラ・アンドレス）: ゴーシュの愛人で、彼女の存在が物語に影響を与える。
• - 坂口（中村哲）: 日本代表の大使であり、物語の中心的人物。

映画の意義

『レッド・サン』は、日本の侍というキャラクターを西部劇の文脈に組み込んだ異色作です。これは文化の相互作用を描くとともに、国際的な映画作品としての重要性を持ちます。また、豪華なキャストと監督陣による作品は、今なお多くの映画ファンから愛されています。日本と西洋の文化の融合を楽しむことができる作品として、映画史に残るべき一作です。

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