レッド・ドラゴン

レッド・ドラゴン

『レッド・ドラゴン』（原題: Red Dragon）は、1981年に発表されたトマス・ハリスの小説です。この作品は、主人公である元FBI捜査官ウィル・グレアムが一家惨殺事件の犯人を追う姿を描いています。

ストーリーの概要

物語の舞台は、世間を騒がせている一家惨殺事件です。ウィル・グレアムは、この事件の全容を掴むことができずに困惑していました。彼は、事件の背後に潜む犯人の正体を明らかにするため、かつて自らが逮捕した猟奇的な犯罪者、ハンニバル・レクター博士が収容されている療養施設を訪れます。

ハンニバルは凶悪犯罪を犯したにも関わらず、非常に鋭い知力を持つ人物です。彼は檻の中で料理を楽しみ、専門書を読み解くかたわら、科学雑誌に素晴らしい論文を発表していました。多くのファンから手紙が届く中、ある殺人鬼が彼に宛てた熱烈なファンレターが含まれていました。この殺人鬼は自分の抱える劣等感や祖母から受けた影響を克服できずにいましたが、ある絵画に出会ったことで心境が一変します。

その絵画とは、ウィリアム・ブレイクが描いた『巨大な赤い龍』です。彼はこの作品に強く惹かれ、「赤き竜」レッド・ドラゴンを自分と重ね合わせるようになり、殊更な犯罪を重ねるようになりました。グレアムはハンニバルから得た情報をもとに犯人を追い続ける一方、ハンニバルは密かにその殺人鬼と文通をしていることが明らかになります。

ハンニバル・レクターの役割

この作品の中で、ハンニバル・レクターは当初は端役に過ぎなかったものの、その存在感や複雑なキャラクターが続編での人気の秘密となりました。著者のトマス・ハリスは、彼のキャラクターがどのように新たな物語に繋がっていったのかについてもコメントしています。

映像化

『レッド・ドラゴン』は映像化もされており、幾つかの著名な映画やドラマとして制作されています。

• - 映画: 1986年に製作された『刑事グラハム/凍りついた欲望（Manhunter）』は、ビデオ化の際に『レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙』と改題されました。また、2002年には『レッド・ドラゴン』として再映画化され、特に『羊たちの沈黙』や『ハンニバル』の成功を受けて注目されました。
• - ドラマ: 2013年から2015年まで放映された『ハンニバル（Hannibal）』は、ハンニバル・レクターを中心に物語が展開され、視聴者から高い評価を得ました。

このように『レッド・ドラゴン』は、緊張感あふれる物語とキャラクター描写が光る作品であり、サイコサスペンスの名作として多くの人々に広く親しまれています。

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