レティーロ (ブエノスアイレス)

レティーロ地区の概要

レティーロ（Retiro）は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにある北東部の地区であり、コムーナ1に属しています。このエリアには約45,000人の人口が暮らしています。南にはプエルト・マデーロやサン・ニコラス、西側にはレコレータ地区が隣接しており、北と東にはラプラタ川が流れています。

地域の特性

レティーロはアルゼンチンの交通の要所として知られ、多くの高級ショップが立ち並ぶエリアです。この地区は裕福な住民や外国の高官の居住地としても人気があります。1930年代以降、この地域近くのビジャ31には数千人の不法移民と26,000人の住民が住んでいますが、そのデータは公式の統計には反映されていません。

交通インフラ

この地区には主要なターミナルであるレティーロ駅があり、北部に向かう近郊列車や長距離列車が発着しています。また、この駅に隣接してレティーロ・バスターミナルもあり、公共バスが多くの地元路線を運行しています。平日は通勤者や車で非常に混雑します。主要な通りであるリベルタドール通りは、駅を越えるとレアンドロ・N・アレム通りという名称に変わり、ビジネスエリアを形成しています。

ビジネス街の中心となるのはカタリナス・ノルテ・オフィスプラザで、1970年代に建設されました。主要な通りにはサンタフェ通り、コルドバ通り、フロリダ歩行者通り、7月9日大通りなどがあり、それぞれが個性的な店舗や文化スポットを有しています。

歴史的建築

フロリダ通りには、1914年から1998年までオープンしていたハロッズ・ブエノスアイレス店があります。このブランドは英国ロンドンを拠点とし、この地域における象徴的な存在でした。ハロッズが撤退した後はアートイベントやタンゴフェスティバルの会場となり、2009年に小売店として再出発しました。また、オルティス・バスアルド邸宅はフランス大使館としても利用されているランドマークの一つです。

ホテルと観光名所

レティーロ地区には多数の高級ホテルが進出しており、フォーシーズンズホテルやマリオット・プラザ・ホテル、シェラトン・ホテル、ソフィテル・ホテルなどがあります。中でも1909年に開業したマリオット・ホテルは、この地区の歴史的なホスピタリティの象徴です。また、サン・マルティン広場は緑豊かな空間として有名です。広場には独立戦争の英雄を称える騎馬像があり、この地区の歴史的な一面を見ることができます。

事件とその影響

周辺には自由広場という重要なスポットもあり、ここは1992年に発生したイスラエル大使館襲撃事件の現場でもありました。この事件では多くの人々が犠牲になり、南アメリカにおける中東関連のテロ事件として記憶されています。

地元政府機関

レティーロ地区には多くの政府機関が位置し、外務省やアルゼンチン空軍、アルゼンチン海軍などがその例です。また、かつて使用されていた移民ホテルは、現在は国立博物館として利用されています。多くの移民がこの地に渡ってきた歴史を感じることができる場所です。

レティーロは歴史、文化、経済の中心地として、多様な顔を持つ地域であり、訪れる人々にとって魅力的なスポットとなっています。

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