レディ・フォー・フレディ

『レディ・フォー・フレディ』は、トランペット奏者フレディ・ハバードが1962年にブルーノート・レコードから発表したアルバムです（BLP 4085 / BST 84085）。2003年にはリマスター版CDが再発され、オリジナルLPには未収録の別テイク2曲が追加されました。

参加メンバーは、ハバードのトランペットに加え、バーナード・マッキニー（ユーフォニアム）、ウェイン・ショーター（テナー・サックス）、マッコイ・タイナー（ピアノ）、アート・デイヴィス（ダブルベース）、エルヴィン・ジョーンズ（ドラムス）という錚々たる顔ぶれです。

このアルバムは、ハード・バップの重要な作品として高く評価されており、オールミュージックのスコット・ヤナウは、エッセイ「Hard Bop」の中で本作を「17 Essential Hard Bop Recordings（ハード・バップの粋17枚）」の一つに選出しています。

収録曲は以下の通りです。

1. アリエティス - "Arietis" - 6:41 (フレディ・ハバード作曲)
2. ウィーヴァー・オブ・ドリームス - "Weaver of Dreams" (Elliott, Young) - 6:35
3. マリー・アントワネット - "Marie Antoinette" (ウェイン・ショーター作曲) - 6:38
4. バードライク - "Birdlike" - 10:15 (フレディ・ハバード作曲)
5. クライシス - "Crisis" - 11:33 (フレディ・ハバード作曲)
6. アリエティス（別テイク） - "Arietis" [alternate take] - 5:51 (フレディ・ハバード作曲)
7. マリー・アントワネット（別テイク） - "Marie Antoinette" [alternate take] (ウェイン・ショーター作曲) - 6:15

『レディ・フォー・フレディ』は、ハバードの卓越したトランペットの技はもちろんのこと、ショーターやタイナーといった才能あるミュージシャンたちの貢献によって、ハード・バップの奥深さを堪能できる作品となっています。特に、ショーター作曲の「マリー・アントワネット」は、彼の独特な作曲センスが光る名曲として知られています。

エルヴィン・ジョーンズの力強いドラム、アート・デイヴィスの安定感のあるベースも特筆すべき点で、それぞれのソロも聴きどころ満載です。マッキニーのユーフォニアムも、楽曲に独特の彩りを加えています。

リマスター版では、音質が向上し、各楽器の分離がより明確になったことで、演奏の細部まで鮮明に聴き取れるようになりました。未発表テイクの収録も、ファンにとっては嬉しいポイントです。

ハード・バップを代表する名盤として、ジャズ・ファン必携の一枚と言えるでしょう。フレディ・ハバードの才能、そして参加ミュージシャンたちの卓越した技術が凝縮された『レディ・フォー・フレディ』は、時代を超えて愛され続けることでしょう。

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