レナウン (企業)

株式会社レナウンの歴史と経営変遷

株式会社レナウンは1902年に大阪で創立され、創業者の佐々木八十八による「佐々木商会」がその原点です。1917年からは衣料品の製造も手がけ、1923年には「レナウン」を商標登録し、名を広めました。この社名はイギリスの戦艦に由来し、その名の知名度を高めることに成功しました。

1960年代には若い女性向けの衣料品メーカーとして一世を風靡し、特にテレビCMで放送された小林亜星作曲の「レナウン娘」と「イエイエ」が流行の象徴となりました。また、俳優アラン・ドロンを起用したブランド「ダーバン」も成功を収めました。1970年代には特に「アーノルド・パーマー」ブランドを展開し、1980年代には世界最大のアパレル売上高を記録しました。

しかし、その後のバブル崩壊や市場環境の変化によって経営は厳しくなり、特にファストファッションの台頭や流通の変化が影響を及ぼしました。1990年代には、経営難を乗り切るために他ブランドの買収を試み、その一つが英国のブランド「アクアスキュータム」でありましたが、根本的な業績の改善には至りませんでした。

2010年、レナウンは中国の山東如意グループに傘下となることで経営を再建しようと試みましたが、米中貿易戦争や新型コロナウイルスの影響により、さらに苦境が続きました。2020年5月には債務整理のため民事再生法の適用を申し立てるも、10月には手続きが廃止され、11月には正式に破産手続きに入ったことが発表されました。負債総額は約138億円に達しました。

破産手続きが開始されて以降、レナウンは事業の整理やブランドの譲渡を行い、特に「アクアスキュータム」「ダーバン」「アーノルド・パーマー」といった主要ブランドの譲渡が行われました。2021年までの間に、子会社や関連法人の法人格も消滅し、最終的には2024年8月に破産手続きが完了し、法人格も消滅する見込みです。これにより、122年にわたるレナウンの歴史は幕を下ろすことになります。

この一連の流れを通じて、レナウンのブランドはファッション界において重要な役割を果たし続けてきましたが、市場の動向や経営環境の急激な変化に翻弄される中、終焉を迎えました。

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