レナウン (企業)

株式会社レナウンの歴史と経営破綻の経緯

概要

株式会社レナウンは、1902年に大阪で創業し、長い間アパレル業界で名を馳せてきた企業です。特に1960年代には、若い女性向けの衣料品で大きな成功を収め、CMソング「レナウン娘」や「イエイエ」で広く知られるようになりました。しかし、経営不振が続き、2020年には破産手続きに入ることとなりました。

創業から成長へ

レナウンの創業は1902年にまで遡ります。創業者である佐々木八十八は「佐々木商会」を設立し、衣料品の販売を開始しました。その後、1923年には「レナウン」という商標を登録し、市場に登場しました。社名の由来は、イギリスの巡洋戦艦「レナウン」が訪日した際、艦上の水兵が被った帽子に刻まれた「RENOWN」という金色の文字に感銘を受けたことから来ています。

1960年代に入ると、レナウンは特に女性向けの衣料品ブランドとして人気を集め、『日曜洋画劇場』のスポンサーを務めるなど、広告戦略にも力を入れました。特に弘田三枝子が歌う「ワンサカ娘」のCMが高く評価され、海外からも注目を集めることとなりました。

栄光の時代

レナウンは1969年に「アーノルドパーマー」ブランドを投入し、日本市場で強力な基幹ブランドとなります。また、1970年代には紳士服ブランド「ダーバン」を展開し、フランスの俳優アラン・ドロンを起用したCMが話題を呼びました。これにより、企業はさらなる成長を遂げ、1990年代にはアパレルメーカーとして世界最大の売上高を誇るまでに至りました。

逆境と経営難

しかし、1990年代後半からバブル崩壊の影響を受け、経営は厳しさを増していきます。特にファストファッションの台頭や販売手法の転換に適応できなかったことが大きな痛手となりました。2000年代には多くの改革を試みましたが、経営の立て直しには至らず、2010年には中国の山東如意グループの傘下に入ることになりました。

経営破綻への道のり

2020年5月、供給問題や新型コロナウイルスの影響により、レナウンは民事再生法の適用を申請しましたが、同年10月には民事再生手続きが廃止される決定が下されました。最終的に、11月27日には破産手続きが開始され、負債総額は約138億円に達しました。

シーアイ・ショッピング・サービスによるファミリーセール事業の譲渡や、主要ブランドの売却が進められましたが、債権者からの資金回収は厳しい状況でした。2021年には関連会社の法人格消滅が相次ぎ、122年の歴史に幕を下ろすこととなりました。

結論

株式会社レナウンは、その名声と影響力に長い歴史を有する企業でありましたが、経済環境の変化や内部問題により次第に厳しい状況に陥りました。レナウンの終焉は、長い間日本のアパレル業界を牽引してきたブランドの消失を意味し、多くのファンの記憶に残ることとなるでしょう。

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