レニャーノの戦い (ヴェルディ)

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲 オペラ『レニャーノの戦い』

『レニャーノの戦い』（原題: La Battaglia di Legnano）は、19世紀イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した全4幕構成のオペラです。ジョゼフ・メリーの戯曲『トゥールーズの戦い』を原作とし、サルヴァトーレ・カンマラーノが台本を手がけました。1849年1月27日にローマのアルジェンティーナ劇場で初演されました。

概要

このオペラは、12世紀の北イタリアを舞台に、神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世（赤髭王）ことフェデリーコ・バルバロッサと、ロンバルディア同盟に加盟する北イタリア諸都市との間の戦いを描いています。愛国心、友情、愛憎といった普遍的なテーマが、ヴェルディの力強い音楽によってドラマティックに表現されています。

登場人物

フェデリーコ・バルバロッサ（ドイツ皇帝）：バス
ロランド（ミラノ軍指揮官）：バリトン
リーダ（ロランドの妻）：ソプラノ
アリーゴ（ヴェローナ軍指揮官）：テノール
マルコヴァルド（ドイツ人捕虜）：バリトン

あらすじ

時代: 1176年
場所: ミラノ、コモ

第1幕

ミラノに集結した北イタリアの騎士たちは、ロンバルディア同盟を結成し、ドイツ皇帝バルバロッサ打倒を誓います。ミラノ軍を率いるロランドは、戦死したと思われていたヴェローナ軍指揮官アリーゴとの再会を喜び、互いに祖国を守ることを誓います。一方、ロランドの妻リーダは、かつて愛したアリーゴが生きていることを知り、苦悩します。ドイツ人捕虜マルコヴァルドは、リーダに言い寄りますが拒絶されます。

第2幕

宿敵ミラノがコモに同盟を求めますが、コモの首脳陣は過去の戦いの傷跡から拒否します。ロンバルディア同盟軍から派遣されたロランドとアリーゴは、コモ市長に同盟への参加を呼びかけます。そこへバルバロッサがドイツ軍を率いて現れ、イタリア征服を宣言。ロランドとアリーゴは祖国のために死ぬ覚悟を示します。

第3幕

墓地でアリーゴは、祖国イタリアを守り抜くことを誓います。リーダはアリーゴへの愛を断ち切れず、彼に手紙を送ります。出陣を前にロランドは、妻リーダと息子に別れを告げます。その後、アリーゴを呼び、自分が戦死した際には妻と息子を託します。マルコヴァルドは、リーダの手紙をロランドに見せ、ロランドは妻と友に裏切られたと激怒し、アリーゴを塔に閉じ込めます。アリーゴは、戦いの前に姿を隠したと非難されることを恐れ、塔から身を投げてしまいます。

第4幕

人々が祈りを捧げる中、レニャーノの戦いにおけるロンバルディア同盟軍の勝利が伝えられます。しかし、勝利の歓喜もつかの間、瀕死のアリーゴが運び込まれます。アリーゴは、リーダの潔白をロランドに告げ、祖国のために死ぬ喜びを伝え、息絶えます。

音楽的特徴

『レニャーノの戦い』は、ヴェルディの初期の作品であり、愛国的な themes と力強い合唱が特徴的です。特に、第1幕のロンバルディア同盟の誓いの場面や、第4幕のレニャーノの戦いの勝利を祝う合唱は、聴衆を熱狂させます。

著名なアリア

リーダ「友よ、あなたは祖国への愛を語った」（Voi lo diceste, amiche, amo la patria）

評価と影響

『レニャーノの戦い』は、初演当時から愛国的な内容が支持され、人気を博しました。現在でも、ヴェルディの重要な作品の一つとして、世界各地で上演されています。

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