レプソル・ホンダ

ホンダMotoGPワークスチームの歴史：1982年から2024年

ホンダのロードレース世界選手権MotoGPクラス参戦の歴史は、1982年のHRC（ホンダ・レーシング株式会社）設立に遡ります。本田技術研究所からワークスチーム運営を引き継いだHRCは、フレディ・スペンサーを擁し、NS500で輝かしい戦績を残しました。スペンサーは1983年、激戦を制しホンダに初タイトルをもたらしました。1984年にはV4エンジンのNSR500を投入するも、スペンサーはシリーズ4位に終わります。

ロスマンズ・ホンダ時代（1985年-1993年）

1985年からロスマンズがメインスポンサーとなり、ロスマンズ・ホンダとして新たな時代が幕を開けます。スペンサーはNSR500でチャンピオンに返り咲くと同時に250ccクラスでもチャンピオンを獲得する偉業を達成しました。その後、ワイン・ガードナーが加入し、1987年にはガードナーがチャンピオンを獲得します。しかし、1980年代後半はエディ・ローソン（ロスマンズ・カネモト・ホンダ）が台頭し、ホンダ勢のチャンピオン獲得は阻まれます。ミック・ドゥーハンが加入した1990年代前半は、ドゥーハンとガードナーの活躍がチームを牽引しました。ドゥーハンは激しいタイトル争いを展開するも、怪我の影響もあり、チャンピオン獲得には至りませんでしたが、才能の片鱗を見せ始めました。ガードナーは1992年を最後に引退しました。

ホンダ・チームHRC時代（1994年）

ロスマンズの撤退を受け、1994年はHRCワークスカラーの赤・青・白のマシンで戦いました。ドゥーハンは怪我から復活し、圧倒的な強さで念願の初チャンピオンを獲得しました。これはドゥーハン黄金時代の始まりを告げるものでした。

レプソル・ホンダ時代（1995年-2024年）

1995年からレプソルYPFがメインスポンサーとなり、レプソル・ホンダとして活動を始めました。ドゥーハンは1997年までシリーズ4連覇を達成し、シーズン最多勝記録を更新するなど、圧倒的な強さを誇りました。その後、アレックス・クリビーレがエースとしてチームを牽引、1999年にはチャンピオンに輝きました。

2000年代に入ると、チームは苦戦を強いられますが、2002年にはバレンティーノ・ロッシがレプソルホンダに移籍。ロッシはRC211Vでシリーズチャンピオンを獲得しました。2003年にはニッキー・ヘイデンが加入し、ロッシはシリーズ3連覇を達成します。2004年にはロッシがヤマハへ移籍しますが、ヘイデンは2006年にシリーズチャンピオンに輝き、レプソル・ホンダは再び頂点に立ちました。その後はダニ・ペドロサが台頭し、チームの主力ライダーとして活躍しました。

2010年代にはマルク・マルケスが加入し、レプソル・ホンダは新たな黄金時代を築きます。マルケスは数々のタイトルを獲得し、チームの勝利に大きく貢献しました。2020年代にはマルケスの弟、アレックス・マルケスもチームに加わりました。しかし、2020年シーズンは、マルク・マルケスの怪我の影響もあり、チームは苦戦を強いられました。

2024年シーズンをもってレプソルはメインスポンサーを撤退し、長きに渡るレプソル・ホンダの歴史に幕を閉じます。30年間という長い間、レプソル社の支援はチームの成功に大きく貢献しました。チームは新たなスポンサーのもと、MotoGPでの戦いを継続していきます。

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