レミントンMSR

レミントンMSR（Modular Sniper Rifle）

レミントンMSRは、アメリカのレミントン・アームズ社が製造するボルトアクション狙撃銃です。2009年に発表され、アメリカ軍の要請に基づいて開発されました。MSRは「Modular Sniper Rifle」の略で、名称の通りモジュラー方式を採用しており、さまざまな部品の交換が容易です。この特性は、使いやすさや適応能力の面で大きな利点をもたらします。

採用と契約の経緯

レミントンMSRは、アメリカ陸軍及び特殊作戦軍において、2013年に「Mk 21 PSR（Precision Sniper Rifle）」として採用されました。この採用は、約7億9,700万ドルの契約金に基づいて行われましたが、2018年にはMk 21が当時の特別部隊の要件を満たさないと判断され、新たな入札が行われました。最終的にはバレット社のMRADが選ばれ、Mk 22 ASR（Advanced Sniper Rifle）として公式に採用されることになりました。これにより、アメリカ陸軍と海兵隊は、2021年度の予算において、バレットMRADを将来の公式狙撃銃とする計画を立てています。

仕様と特徴

レミントンMSRでは、複数の弾薬が使用できます。その中には、.338ラプア・マグナム弾、.338ノルマ・マグナム弾、.300ウィンチェスター・マグナム弾、7.62x51mm NATO弾が含まれます。射手自身が簡易的に行えるメンテナンスが可能な点も特徴です。また、サイドスイング式の折り畳み銃床や、調整可能なチークピース、バットプレートを備え、射手一人ひとりに合わせたカスタマイズが可能です。

さらに、MSRのボルトは取り外し可能なボルトヘッドを装備しており、口径を変更する際も便利です。ボルトヘッドのラグを使って薬室を確実にロックします。銃身はハンドガードに直接接触しないフリーフローティング構造を採用し、MK21 PSR仕様ではハンドガードを外すことなく銃身交換が可能です。この設計により、メンテナンスの効率向上が図られています。

レシーバーの構造は、同社のM24を基に改良され、耐久性が高められています。また、ピカティニーレールが配置されており、各種アクセサリーの取り付けが容易に行えます。自身の軽量さも特徴的で、スコープを搭載しても約7.7kgと、狙撃銃としては軽量です。

命中精度において、.338ラプア・マグナム弾を使用することで、1,000mで0.7MOAという驚異的な性能を示します。これは、狙撃任務において絶対的な信頼性を提供します。

使用国と採用例

レミントンMSRは、アメリカ合衆国をはじめとした多くの国で運用されています。使用国には、アメリカ陸軍、特殊作戦軍、アルジェリア特殊部隊、コロンビア陸軍、ブラジル陸軍、フランス陸軍、イスラエルの特殊部隊、イタリア陸軍、メキシコの麻薬対策部隊、トルコの特殊部隊などが含まれます。

このように、レミントンMSRはその先進的な設計と高い性能から、現代の狙撃任務における重要な武器として位置付けられています。

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