レムス川

レムス川は、ドイツのバーデン＝ヴュルテンベルク州を流れるネッカー川の支流です。オストアルプ郡アーレン近郊のエッシンゲンを水源とし、約80kmの距離を流れ、ルートヴィヒスブルク郡ネッカーレムスでネッカー川に合流します。

流路の特徴

レムス川は、水源からしばらく北へ流れ、その後西へと進路を変えます。この流れに沿って、ブンデスシュトラーセ29号線とレムス鉄道が並走しており、シュトゥットガルトから東ヴュルテンベルク地方、バイエルン州へと続く重要な交通路となっています。

エッシンゲンを過ぎると、メックリンゲン、ベビンゲンといった町が続き、次第に商工業が盛んな地域へと変わっていきます。そして、レムス川はシュヴェービッシュ・グミュントへと到達します。ロルヒを過ぎると、川はオストアルプ郡からレムス＝ムル郡へと入ります。

プリュダーハウゼン、ウアバッハを通過し、ショーンドルフに達すると、シュヴェービッシュ＝フランキッシャーヴァルト自然公園から流れ込む重要な支流、ヴィースラスフ川が合流します。この付近はブドウ畑が広がり、ヴュルテンベルク地方有数のワイン生産地となっています。川沿いには、ヴィンターバッハ、レムスハルデン、ヴァインシュタットなどのワイン産地が点在し、レムス渓谷最大のワイン業者協同組合もヴァインシュタットにあります。ブドウ畑の近くには、サクランボなどの果樹園も見られます。

ヴァイプリンゲンはレムス＝ムル郡の郡庁所在地です。この町を境に、レムス渓谷の風景は大きく変化します。ブンデスシュトラーセとレムス鉄道はシュトゥットガルト方面へ直進しますが、レムス川は北西へと向きを変え、地質もコイパー層からムシェルカルク層へと変化するため、谷は狭まります。ノイシュタットには、電気のこぎりメーカーであるスチールの本社があり、近くには高さ約45m、全長約230mのムア鉄道の高架橋が架かっています。

レムス川の下流部は大きく蛇行し、その一帯は自然保護区に指定されています。かつてブドウ畑であった名残が見られる堤には木々が生い茂り、緩やかな斜面は現在も耕作地として利用されています。レムス川がネッカー川に合流するネッカーレムスは、レムゼックに属する地区であり、郡もレムス＝ムル郡からルートヴィヒスブルク郡へと変わります。

流域の主な都市

シュヴェービッシュ・グミュント
ロルヒ
ショーンドルフ
ヴァインシュタット
ヴァイプリンゲン
レムゼック・アム・ネッカー

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