レムヒ郡 (アイダホ州)

レムヒ郡 (Lemhi County)

アメリカ合衆国アイダホ州の中央部に広がるレムヒ郡は、豊かな自然と歴史的な背景を持つ地域です。この郡は1869年1月9日にアイダホ準州議会の決定によって設立されました。

名称の由来

レムヒ郡という名称は、かつてこの地に短期間存在したモルモン教の遠隔伝道所「レムヒ砦」（Lemhi Fort、またはLimihi Fort）に由来しています。この伝道所は1855年から1858年にかけて、当時この地域を領土としていたバノック族とショショーニ族インディアンの居住区域に建設されました。「レムヒ」という名は、モルモン書に登場する王の名前から取られたと伝えられています。

人口

レムヒ郡の人口は、直近の統計によると緩やかな増加傾向にあります。2010年の国勢調査では、人口は7,936人と記録されました。これは、その10年前である2000年の国勢調査時の人口7,806人と比較して、1.7%の増加率を示しています。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局のデータによれば、レムヒ郡の総面積は広大で、4569.50平方マイル（約11,835.0平方キロメートル）に及びます。このうち陸地面積は4564.16平方マイル（約11,821.1平方キロメートル）を占め、水域面積は5.35平方マイル（約13.9平方キロメートル）とごくわずかで、水域率は約0.12%です。この広大な面積の中には、起伏に富んだ地形が広がっています。

郡内で最も標高が高い地点は、スコット峰であり、その頂は11,393フィート（約3472メートル）に達します。対照的に、最低地点は郡を流れる主要河川であるサーモン川が、隣接するアイダホ郡へと流れ出る地点であり、その標高は約3,000フィート（約914メートル）となっています。サーモン川は郡の中央部を流れ、やがて西方向へと進路を変えながら郡を横断しています。

また、郡の東側の境界線は、モンタナ州のビーバーヘッド郡と接しており、この境界線は大陸分水界の一部を形成しています。

隣接する郡

レムヒ郡は、以下のアイダホ州およびモンタナ州の郡と境界を共有しています。

西: アイダホ郡、バレー郡（アイダホ州）
南: カスター郡、ビュート郡（アイダホ州）
東: クラーク郡（アイダホ州）
北、北東: ビーバーヘッド郡（モンタナ州）
北: ラバリ郡（モンタナ州）

国立保護地域

郡の広大な地域の一部は、連邦政府によって管理される国立保護地域に含まれています。

チャリス国立の森 (Challis National Forest)
サーモン国立の森 (Salmon National Forest)
ターギー国立の森 (Targhee National Forest)

これらの森林地域は、郡内の豊かな自然環境の保全に寄与しています。

主要な集落

レムヒ郡には、郡の行政機能が集まる郡庁所在地であるサーモン市をはじめ、いくつかの都市や未編入の町が存在します。

都市:
リードア (Leadore)
サーモン (Salmon) - 郡庁所在地であり、郡内で最も人口が多く、行政、経済、交通の中心となっています。
未編入の町:
カーメン (Carmen)
コバルト (Cobalt)
エルクベンド (Elk Bend)
ギボンズビル (Gibbonsville)
レムヒ (Lemhi)
メイ (May)
ノースフォーク (North Fork)
パターソン (Patterson)
シャウプ (Shoup)
テンドイ (Tendoy)

これらの集落は、広大な郡域に点在し、それぞれの地域で人々の暮らしや経済活動が営まれています。

郡の中心：サーモン市

郡の行政の中心地であり、最も人口が多いのはサーモン市です。2010年のデータでは3,112人がこの都市に暮らしており、レムヒ郡における生活や活動の主要な拠点となっています。

レムヒ郡は、その設立の経緯、特異な名称の由来、広大な自然景観、そして点在する集落によって特徴づけられる、アイダホ州におけるユニークな存在です。

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