レモン画翠

レモン画翠

レモン画翠（レモンがすい）は、東京都千代田区に本店を構える専門業者です。その事業は幅広く、建築模型材料、画材、文房具の小売・卸売に加え、企業向けの保存額装サービスや、美術館・博物館の展示に関するコンサルティング業務も展開しています。

創業と発展

レモン画翠の歴史は古く、その前身である「今井鐵次郎商店」として1923年（大正12年）に創業しました。当初はイギリスやフランスから輸入した絵画用の画材を中心に扱っていましたが、同時に、当時まだ珍しかった建築模型材料の輸入や開発にも早い段階から着手していました。この先見性が、「建築にいちばん近い画材店」という今日のレモン画翠の地位を築く礎となります。

建築分野への貢献と「レモン展」

特に建築分野との繋がりは深く、建築模型材料においては都内でも有数の品揃えを誇ります。また、1978年からは毎年、全国の建築を学ぶ学生たちによる卒業設計作品を展示する「レモン展」を主催しています。この取り組みは建築教育の振興に貢献する活動として高く評価されており、2018年には「日本建築学会賞（業績）」を、2019年には「文部科学大臣表彰 科学技術賞（理解増進）」を受賞しています。

その他の事業とサービス

画材店としての事業に加え、美術館や画廊の展覧会をサポートする事業も展開しています。保存額装をはじめ、展示に必要な資材供給やコンサルティングを通じて、文化・芸術分野にも貢献しています。また、顧客向けのサービスとして、買い物の際に利用できるポイントカード制度や、入会金無料で有効期限2年のレモン画翠カードを提供しています。

デザインとの繋がり

昭和60年頃には、著名なイラストレーター・絵本作家である井上洋介氏がレモン画翠の広告挿画を手がけており、そのデザインは現在も販促物や商品に活用され、多くの人々に親しまれています。

店舗情報

主な拠点として、JR・東京メトロ各線が利用可能な御茶ノ水に本店を構えています。また、東京藝術大学上野キャンパス内には画材・教材などを扱う「画翠藝大店」があり、学生や研究者にとって便利な存在となっています。さらに、関連事業として、御茶ノ水近辺には「イタリアンレストラン トラットリアレモン」も運営しており、食の分野でも地域に根差しています。

沿革の概要

1923年：今井鉄次郎商店として洋画材料卸業で創業。
1931年：東京美術学校（現東京藝術大学）内に売店を開設。
1950年：喫茶レモンを開設。
1955年：画材小売店「画翠」を開設し、有限会社レモンを設立。
1978年：本店ビルを新築し、総合美術・デザイン材料専門店として発展。
1980年：第1回学生設計優秀作品展（レモン展）を開催。
1986年：美術館・画廊向け展覧会支援事業（保存額装など）を開始。
1987年：新ビル「レモンパートⅡ」を新築し、イタリアンレストランを開設。
2004年：建築模型材料オンラインショップを開設、御茶ノ水茗渓通りスケッチ大会を開始。
2011年：大学向けの教材販売（設計製図・模型材料）を開始し、2015年には全国に展開。
2018年・2019年：レモン展が相次いで著名な賞を受賞。

このように、レモン画翠は創業以来、画材・文房具の専門知識を深めつつ、特に建築分野や美術館・博物館との連携を強化しながら、事業領域を広げてきました。材料供給だけでなく、教育・文化活動の支援にも積極的に取り組む企業として、その存在感を示しています。

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