レンピラ (通貨)

ホンジュラスの通貨：レンピラ（Lempira）

ホンジュラスの公式通貨はレンピラ（Lempira）です。国際通貨コードはHNL、補助通貨単位はセンタボ（Centavo）で、1レンピラ＝100センタボとなっています。日本語では、レンピーラ、センターボと表記されることもあります。

レンピラという通貨名は、スペイン植民地時代に勇敢に抵抗したレンカ族の指導者、レンピラに由来しています。彼はホンジュラスの国民的英雄として広く知られており、その功績を称え、1レンピラ紙幣や一部の硬貨のデザインにも彼の肖像が用いられています。レンピラ紙幣の赤色のデザインは、彼の勇気と闘争の象徴として選ばれたと言えるでしょう。

歴史

レンピラは、それまで使用されていたペソに代わる通貨として、1931年に導入されました。当初はペソと同等の価値で取引されていましたが、その後、為替レートは変動を繰り返します。1980年代後半には、1米ドル＝約2レンピラというレートが定着し、20センタボ硬貨が米国の10セント硬貨（ダイム）になぞらえて「ダイム」と呼ばれるようになりました。

為替レートの変動は、ホンジュラスの経済状況を反映しています。2011年7月からは、米ドルとの交換レートに為替バンド制が導入され、毎週の中心レートから上下7%の変動が許容されるようになりました。これは、為替レートの急激な変動を防ぎ、経済の安定化を図るための措置です。2013年8月時点でのレートは、1米ドル＝約20.4543レンピラ、1レンピラ＝約4.7857円でした。このレートは、その後も変動を続け、現在に至っています。

紙幣

レンピラ紙幣の発行は、当初ホンジュラス銀行とアトランティダ銀行によって行われていました。1932年には、1、2、5、10、20レンピラ紙幣が発行されました。その後、1950年にはホンジュラス中央銀行が紙幣発行業務を引き継ぎ、1951年には50レンピラ紙幣、1975年には100レンピラ紙幣、そして1995年には500レンピラ紙幣が導入されるなど、時代に合わせて額面の種類が増えていきました。

近年では、2010年に20レンピラ紙幣がポリマー紙幣として発行されました。ポリマー紙幣は耐久性に優れ、偽造防止対策としても有効であるため、経済的なメリットが大きいとされています。

為替レート

レンピラの為替レートは、国際的な経済情勢やホンジュラス国内の経済状況に大きく影響を受けます。近年は、米ドルとの為替バンド制を採用することでレートの安定化を目指していますが、依然として変動要因は多く、今後の動向に注目が集まっています。

まとめ

レンピラは、ホンジュラスの歴史と文化を深く反映した通貨です。国民的英雄にちなんだ名称、変遷を経てきた為替レート、そして近代的なポリマー紙幣の導入など、レンピラの歴史には、ホンジュラスの歩みそのものが刻まれています。今後も、ホンジュラス経済の動向とともに、レンピラの役割はますます重要になっていくでしょう。

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