レンブとゆりかご

レンブとゆりかご

2021年に製作された日本映画『レンブとゆりかご』（英題：Kanna and Sachi）は、沖縄県沖縄市にある「沖縄こどもの国」を主な舞台として描かれる作品です。この映画は、日本で最も南に位置するこの動物園の全面的な協力を得て製作されました。初上映は2021年4月24日、シアタードーナツにて行われました。

物語は、沖縄こどもの国で働く二人の若い女性、城間カンナと仲西幸を中心に展開します。23歳のカンナは、動物たちとの絆を築くことが最も重要とされる新人飼育員として日々奮闘していますが、特に担当している馬のミドリとの関係構築に苦労しています。一方、カンナの幼馴染である幸は、動物園内の売店で勤務しており、繰り返される単調な業務に物足りなさを感じ、退屈さと将来への不安が入り混じった複雑な感情を抱えていました。仕事が終わると、二人は決まって行きつけの飲み屋を訪れ、互いに日々の不満や悩みを打ち明け合うのが常でした。

ある日、カンナは些細な気の緩みから、担当するミドリの体調を崩させてしまいます。このミスに対し、先輩飼育員から厳しい言葉を浴びせられ、深く落ち込みます。同じ頃、幸もまた発注業務でのミスを経験し、自己嫌悪に陥ります。これを機に、二人はそれぞれ自身の仕事や、これからどのように生きていくべきかという将来について、真剣に悩むようになります。「なぜ自分たちは、この場所で働くことを選んだのだろうか」。そんな疑問を抱いた二人は、幼い頃に沖縄こどもの国で過ごした、温かい思い出の数々を辿り始めます。そして、その幼少期の記憶の中にこそ、現在抱えるそれぞれの葛藤を解きほぐし、前に進むための鍵があることに気づいていくのです。

本作は、単なる動物園を舞台にした物語に留まらず、若者が仕事や友情、そして過去の自分と向き合いながら成長していく姿を繊細に描いています。沖縄こどもの国が舞台となることで、作品全体に温かく、どこか懐かしい雰囲気が漂います。

主要なキャストは以下の通りです。

城間カンナ：MICHI
仲西幸：葉月ひとみ
大城尚徳：ゆっきー（キャン×キャン）
ミドルキック純：宮島真一
かまどおばぁ：福嶺初江
マスター：Riki yamaneko

本作の製作を支えた主なスタッフは以下の通りです。

監督・脚本：友利翼
アソシエイトプロデューサー：堀家盛司
音楽：オモイトランス
撮影・編集：地村俊也
照明：仲村逸平
録音：横澤匡広
録音助手：佐藤祐美
助監督：大城賢吾
制作進行：眞栄城守人
ヘアメイク：友寄みずの
デザイン：濱崎千春
宣伝協力：ファンファーレ・ジャパン
機材協力：PROJECT９
衣装協力：センターサウンドストーリー
ロケ協力：沖縄市KOZAフィルムオフィス、公益財団法人沖縄こどもの国
制作プロダクション：ムサシノキネマ商会

本作は複数の映画祭で評価されています。

4Ｋ･VR徳島映画祭2021 一般部門にノミネートされました。
第５回 渋谷TANPEN映画祭CLIMAXat佐世保2021-22にて、佐世保市長賞を受賞し、主演を務めたMICHI氏が主演俳優賞を獲得しました。
* 第６回 岩槻映画祭では、準グランプリを受賞しました。

『レンブとゆりかご』は、沖縄の温かい空気感の中で、誰もが経験するであろう仕事の悩みや将来への迷い、そして過去の記憶がいかに現在の自分を形作るのかを描いた、心に寄り添う作品と言えるでしょう。

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