レ・タン・モデルヌ

『レ・タン・モデルヌ』（Les Temps modernes）は、フランス語で「現代」を意味し、ジャン＝ポール・サルトルとシモーヌ・ド・ボーヴォワールによって1945年10月に創刊された、政治・文学・哲学雑誌です。

創刊と「アンガージュマン」

創刊の辞では、政治的・社会的事件に対し、特定の政党に属するのではなく、人間観に基づいた意見を表明する「アンガージュマン（engagement）」の思想が掲げられました。この思想は、社会に対する知識人の責任を強調するもので、雑誌の方向性を決定づけました。

創刊時の編集委員と寄稿者

創刊時の編集委員には、サルトル、ボーヴォワールの他、レイモン・アロン、ミシェル・レリス、モーリス・メルロー＝ポンティ、アルベール・オリヴィエ、ジャン・ポーランが名を連ねました。創刊号には、フランシス・ポンジュ、リチャード・ライト、ジャック＝ローラン・ボストらが寄稿し、その後、サミュエル・ベケット、アルベルト・モラヴィア、カルロ・レーヴィ、ジェームズ・エイジー、ボリス・ヴィアン、レーモン・クノー、ジャン・ジュネ、ヴィオレット・ルデュック、ナタリー・サロートなど、多くの作家、思想家、芸術家の作品が掲載されました。

クロード・ランズマン編集長時代と終刊

1986年10月号から2018年まで、映画監督のクロード・ランズマンが編集長を務めました。ランズマンは、ナチスの強制収容所を扱った記録映画『SHOAH ショア』で知られています。1995年には、50周年記念号が刊行されました。2000年には、サルトル没後20年特集号が組まれました。
ランズマンの死後、雑誌は2018年10-12月号を最後に刊行されなくなり、2019年7月、編集部が終刊の意向を表明し、70年以上の歴史に幕を下ろしました。

出版社の変遷

雑誌の出版社は、時代によって変遷しています。

1945年10月 - 1948年12月：ガリマール出版社
1949年1月 - 1965年9月：ジュイヤール出版社
1965年10月 - 1985年3月：プレス・ドージュールドュイ
1985年4月 - 2018年12月：ガリマール出版社

『レ・タン・モデルヌ』は、戦後の思想界に大きな影響を与えた雑誌であり、その終刊は、一つの時代の終わりを象徴するものとして記憶されています。

関連人物

ジャン＝ポール・サルトル
シモーヌ・ド・ボーヴォワール
クロード・ランズマン

外部リンク

Gallimard - Revue Les Temps Modernes - ガリマール出版社公式ウェブサイト
* Gallimard - Les Temps Modernes - ガリマール出版社刊行の全号リスト

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